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満天の星空へ
一匹オオカミのフリをして
寄り添う場所が欲しかっただけ
思ってもないことを言いまわり
あめ玉の味がいつもより濃くなる
漂う風におもいを馳せて
駆け抜けた日々に助けを求める
ついたり消えたり忙しい
灯台へひとり 涙を枯らす
隣で見かけた幸せを
心の底から喜んだあと
つま先からてっぺんまで
冷え切った感情が
虚しくも心をからにする
飛び散った悲しさ
まみれた日々の少しのご褒美
またも情けなくなり
ひとりで凍えた 帰り道
満天の星空へ
たったひとつのおもいを飛ばす
出会わない衝撃を
叶わない群青を
届かない知らせの中に
そっと忍ばせ ギリギリで生きる
そこに居るだけで
居てくれるだけでいい
あきらめきった表情で
まみれた暮らし そして誰も居なくなる