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初動衝動  作者: 絶望大福
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月面

まばらな蜘蛛の巣這うように

おぼろげな月面にへばりつく

知らない洋楽陽気に聴こえた

起きるための睡眠を

いつまで続ける日射病

もう時間はないはずだよ

闘う相手が違うのだ

外へは向かわず

気にすることは無意味なこと

忘れてもいいこと無意味なこと

無意味なこと

どれが大事か分からなくなる

灰色の広告

頭は一体どうやって使う

溢れる映画を解放している

誰にも見えない映画館

溢れる映画を解放している

溢れる映画を見ておくれ

見えた気がする昔見た花火

なぜに心はこんなに弱く

どうしてうまく立ち回れない

ひとつひとつを大事にし過ぎて

周りのすべてが中途半端だ

結局なんにもない奴で

なんの取り柄もない奴で

ここいるのは数合わせ

出発式は寒い春

今はなんにもやりたくないんです

散らかる箱の中にある

宇宙のような悲しみ喜び

声は出さずに日々に絶叫

氷はとっくに溶けている

微かに動いた唇は

星の形の鳥のよう

いびつな形

知らない季節

単純な歩幅

知らない色

測れないものさし

知らない感情

まばらな蜘蛛の巣這うように

おぼろげな月面にへばりつく

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