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ピンク色に弾ける
名もなき漂流を 続けていくのか
そんなに暇はない 微糖を一口
真っ当な偽善者が 影を連れて歩く
苦しいほど黒い 影を連れて歩く
凍えそうな日々を 薄暗い明りとともに
さっき笑った話など ひとつも覚えていない
木漏れ日が不安定な足元を知らせるけど
抜けた先など 目も開けられず
せっかくの景色も見られないまま
ひどく削ぎ取られた最果ての心は
彷徨うだけ 気づかれず彷徨うだけ
死んでゆくものは 何より大切だったもの
昨日の疲れをひきずったまま
太陽が昇ってゆく 街路樹の影をつくる
どんな顔で会えばいい
何にもなくなった ふらふらな激情は
青白く死んでいる 死んでいる
話すこともなくなって
出てくること いい形のかたちを装う
積み木を崩して 楽になれるかな
どうでもいい理由をつけて 何気なく
そこへ座れたら そこへ行けたら
ピンク色に弾ける また何かはじまる
欲しい事があるのなら
汚れてゆけ 眠くなる前に