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砂埃
荒地に孤独な水筒が転がる
行くあてもなく 四駆に踏み潰され
ヒステリックな刹那的一弾指
失うものは計り知れず
出てゆく足取りを 強がりで見つめる
いつもの砂埃が舞う
傍若無人なひとつひとつ
見る目も変わり 急いだ時間
静かに近寄る 棘が刺さる
タンクを綺麗に吹きあげれば
落雷と共に いつもの砂埃
あいつはどこかへ消えていった
ユニセックスなお互いを
感性だけで見つめ合う
窓の外では舞うものがあり
火を起こした画廊内
小さな縁に収まった
あれやこれやを探し求めて
いきなり訪れた衝動に従う
またもや静かに近づいた
出来なかったものが
功を奏して近づける
騙し取ったチープなえんぴつ
搔き鳴らした 懐かしい光景
電波もロクに届かない
鼻ですすった ただの土
短か過ぎる再会が
またもや起こす砂埃
聞き慣れないサウンドと共に
冒頭からやり直せ
回る看板 飾った絵と
抑えられない言葉の節々
いつもの時間に流れ出す
人工的な砂埃