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たまに来るところ
気持ちはどこかに飛んで行って
街灯と木々がぶつかる操車場
長い距離の車が過ぎて
点線が並ぶ 心地好さそう
甘めの匂いを撒き散らす
誘惑気分の女がゆく
仕方なくそびえ立つ電柱
いつもと違って見えた貧しさ
心なく用意された食事たち
何もかもがなくなった
あんなに好きなものだったのに
今では救える気持ちもなく
予想だにしない電話が鳴り
生命力が試される
遠くで走るバイクの音
叫ぶ声は昆虫たち
なんの気配かも分からずに
太陽目指して伸びていく
間も無く始まるこの時に
緊張感も枯れていく
しどろもどろに出た答えが
あいつによって毒される
マーガリンの匂いがたどり着けば
いつも通りのたまに来るところ
今のところ落ち着いている