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初動衝動  作者: 絶望大福
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気持ちはいつも寄せては返す

雑木林の間 ひっそりと

感傷的な趣きと 寂しそうな木目の塀

呼び起こされた感覚と

しっかりと立つ現実を行き来する

試験管に詰め込まれた

苦味の抱擁は

子どもの部分が残る舌を

しっかりと刺激する


笑ったあとで カップを置く音

ひそひそとこぼれ話

空虚な心を 裂いて離れず

ソーダ色の小説と

生い茂った残光と

窓の形に降り注ぐものは

眠気まなこの髪を照らす


まどろっこしい感情が

寄せては返す 場面に合わせて

口約束を果たす時

既に数年経っていた


そこに残る刺激物

生活感が現れる

等間隔に揃えた私物は

果たして大事なものなのか

作られた気がする

手に取るひとつひとつ


夕暮れを待ちながら

強い力と健気さで飲み干す


銀食器がくすんで笑う

気取った模様のハーブ畑

手書きの伝票を破り捨てて

息がつまる空間へ変わる

読み進めたソーダ色


残ったものは一体何か

あやふやに覚えた道のりで

たどり着いた 女人の壁絵

にっこりと微笑んで

目をそらさず

よく分からない季節の中

理想と現実を行ったり来たり


波の音が聞こえない

弱々しく光る光と

自信のない服装で

とりあえず来てみた

ここへ来てみた

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