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ラストライト
浅はかな幸せが順番に花を咲かせる
馬鹿にしている 本当はいけないこと
それがどうしたと過ごしたんだ
払えない支払いばかり
愛想笑いが続く生活
最後に見る事ができた光 いつの日
軽く縋ったものに心を突き上げた
次々と死んでゆく顔ばかり
鏡に写った自らの顔は?
吐く息も白く 足をひきずる
ラストライトが遠くなる
涙に濡れる給料明細
適当なところで
分かったフリをしなければ
夏の気配 台風一過
季語を使わない季節に
桃色のおんなじもの
指でつたった ロクデナシ
眩しすぎて
今日もどこかでラストライト
鏡に向かって唾を吐く