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初動衝動  作者: 絶望大福
160/243

曇天の最中

助け舟は渡さずに

言いたい放題 逃げ道を塞ぐ

身体を使って 関係ないこと

遊んだ足どりを雑巾で拭く午後

少し甘めの珈琲をすすって

目をこすった 朝の光を思い出す


人相が変わっていくのであれば

形に惑わされずに話し始める

枝豆がおいしい 昨日の夜

原動付自転車で ぐるぐるまわった

終わらない夏

そんな気持ちで居られれば

大人になんてならない部分

優しく撫でて 顔を合わせる


ひとつひとつの発言が

遠回りせずに傷つける

持てる気持ちを滑らせて

曇天の最中 FMラジオ

紺で塗った車過ぎて

頼りなく笑う 終活者

寡黙に願う 蜃気楼


いつまで続くか分からずに

いつまでも続くか分からずに

タイトにキメた上半身

ずさんに履いたブカブカのズボン

煙が立ち込める たばこの吸い殻

簡易トイレへ寄り道して

うるさい噂話を横目で見る


大きく吸って 深呼吸

始まったばかり 始まったばかり

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