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2回目の春
2回目の春が訪れて
厄介な自動車を転がす
簡易的な座席に葬られ
錆びた壁を見つめていた
桜の木々が気持ちよさそう
できる限り笑っていよう
重い足取りも動き始めれば
終わりへ向かい 咳をひとつ
快晴の空は眩しいくらい
理想とされる生活のはじまり
楽しみをここでも見つけなければ
弁当屋からはいい匂いが立ち込め
粉砕された夢を引きずる
これで終わりになればいい
劣等生の優等生を演じているだけ
心通わぬ造園の中で
行くあてもなく ただひたすら
2回目の春が訪れた
咳払いが止まらない