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珈琲中毒28号
かき混ぜた珈琲は何杯目だろうか
いつもとおんなじ音量で
色んな世界へ旅立とう
胸の中を鷲掴みにされながら
初恋に似た感傷と
深く被った帽子のツバから
見つめている先は知らない風景
真夏の中の大自然を
カブトムシと一緒に踏み出した
汚れたチープの散乱が
メンクリ玉をわくわくさせた
流れ作業の合間に大暴れ
油絵のパンクスタイル
飾らない頭でっかちに成り下がる
運んできた眠気の気配を
夜。何もない夜に ドロップキック
季節が混ざるこの風を
かき混ぜた珈琲にドリップする
寝癖はまだ直していないけれど
絶望はまだ直っていないけれど
深呼吸 怠けものの残骸と
バランスをとりながら山登り
山頂に到着したら 塩むすびを一口
そんな夢を見るはずだった
珈琲のおかげで眠れなかった夜
ほどほどに ほどほどに