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汚れた心は途方に暮れた
名もなき白鳥の時間
ただ不安な顔でやり過ごしながら
未だ自信が持てぬやりくり
喉でざわつく程度の声
まっすぐ見つめる初めての朝
陥れる愉快な声色
しょうがないから笑っている
対局に位置するその場所には
子どものまんまの問題児
爆発のどよめきをやりたい放題
ここに居なくてよかったと笑う
暴れだす空気の中に
ひとつもやる気がおこらない
下手すぎる采配 誰も手がつかず
緑のペンキで塗ったくった
錆も中に閉じ込めた
弱々しい電球に照らされ
素直に受け取れない粗品を手にする
髪が乱れる程の寒風の中
汚れた心は途方に暮れた
傷つけ合うだけの黒い霧
ここには充満する
形だけの優しさが痛々しい
とにかくその子どもじみた
言い訳をもうこの耳で聞きたくはない
襖の間から覗いて笑った