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初秋
階段を駆け上がる そんな音
深い眠りにつく手前
爆風の中 流れ出した逆鱗に触れ
期待させない朝を待つ
覚悟だけを決めたから
あとは身の程を知るだけ
打ちのめされた初秋の予感
子どものようなおやすみを
南の空から聞いている
瞼に写るその姿を
いつまでもこうして見てはいられない
スローペースなやりとりを
もう一度あの糸電話で
赤で記した現在地
砂漠の心を潤す光
大したことのないホラ吹きを
言わなかった言葉でぶん殴る
イラつく頭を
甘いチョコレートが柔らげる
遠くまで 聞こえた音に導かれて
丸い窓から 見えた景色