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初動衝動  作者: 絶望大福
132/243

食い荒らすこと

息を潜めて 同じ時間を長く浸る

飲まれ気味のたばこの煙

淀んで 鼻につくものは

出会いの頃と 違う表情

嘘をお互い吐き続けて

錆びたオノと 生まれたプライド

長い針が夜明けをさす


変更された 魔除けのクリック音

聞きたくもない話の後

乾いた笑い声 刻む物語

バリバリに食い荒らした

土の上に張り付いた 足底

角を曲がった 荒くれもの

赤い花が咲く 柔らかい風の音

ノックが聞こえれば 終わる夏


僅かに残る 言い訳から溢れた始末

開花と共に 枯れたものは

あの頃と同じく 髪を揺らした

流れ去るピストルの音

途切れた音を食い荒らす

曲がったところで落ち着けば

なくなることを 泣き喚け


無情の空にお似合いな獣

畑とコンパスの行方を食い荒らす

回収されないゴミくずの上で

あぐらをかいて 咳をする

紫色のマグネットで重ねた

どデカい扉の向こう側

何かを食い荒らす音がする

心がここから離れていく

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