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風邪をひいた
不安定なまま 発車のベル
独りよがり 真夏の日差しが
もうそこまで来ている
無数の虫が湧いた頃
力を振り絞った感覚で昔の余韻
誤魔化しは効かず 醜態をさらす
賞味期限が切れた 生ぬるさ
青春はやはり終わっていた
無造作に貼った 証明書
ディンゴが言う これからのことを
隠れる月は隠したものとよく似ている
知ったかぶりで振りかぶる
ボロが出ても全力投球
まだ見ぬ明日はあと僅か
地平線をなぞる 風邪をひいた
我慢強く付き合えば
疲れは何倍にも膨れ上がるのだろう
あの日と同じ話の中で
遠い空へ飛ぶ鳥と 地に足つけた欲望
嵐のように過ぎた日々は
どれだけ僕を強くした
踏み切れない包んだ世界
覚悟を決めたあいつへ届ける
音が外れた鼻歌も
こんなにも心地よい
外の音がうるさいけれど
熱帯夜の悲しみを 存分に味わおう
腕を折られたような気分で
打ちのめされた後で 風邪をひいた
さあ行こう そこに行くのだろう
嘘を少々 逃げ出す有様
何者でもない今とビタミン剤
少し寝てから その切符を手にする