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初動衝動  作者: 絶望大福
123/243

しくじり

甘酸っぱい感情を飲み干して

心にまとった優しさは

大気圏さえ突破する

その向こう側にある夜明け

並んで歩く 二人があった

ゼロから始まる ひとつひとつを

大切に身体の中で破裂させる


息も止まらぬじゃれ合いの中

ゆっくりと船を漕ぐ

大海を見渡す丘の上

指と指に重なり合う目覚め

忘れかけた金色のスタンプ

スイッチひとつで にやける仕草

遠い空の彼方へ飛んだ


風船が浮かぶ波の行方

ゆるやかに髪がなびいて

地平線を流れる電流

ゴムボートが荒波をゆく

空想のような現実がすぐそばに居る

ああ無情だ それ程のこと

パンと弾けたほっぺたが

ゆっくりと赤に染めていく


隣で話す ペースは乱さない

上の空 的外れの回答を続ける

答案用紙は赤で染まる

帰り道も 夢の中も いつまでも

永遠を感じる人形劇

飛んだ模様は 本気のしるし

荒れた生活を潤すハート

苦し紛れに やっと言えたこと

にんまり笑う君が見たい

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