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しくじり
甘酸っぱい感情を飲み干して
心にまとった優しさは
大気圏さえ突破する
その向こう側にある夜明け
並んで歩く 二人があった
ゼロから始まる ひとつひとつを
大切に身体の中で破裂させる
息も止まらぬじゃれ合いの中
ゆっくりと船を漕ぐ
大海を見渡す丘の上
指と指に重なり合う目覚め
忘れかけた金色のスタンプ
スイッチひとつで にやける仕草
遠い空の彼方へ飛んだ
風船が浮かぶ波の行方
ゆるやかに髪がなびいて
地平線を流れる電流
ゴムボートが荒波をゆく
空想のような現実がすぐそばに居る
ああ無情だ それ程のこと
パンと弾けたほっぺたが
ゆっくりと赤に染めていく
隣で話す ペースは乱さない
上の空 的外れの回答を続ける
答案用紙は赤で染まる
帰り道も 夢の中も いつまでも
永遠を感じる人形劇
飛んだ模様は 本気のしるし
荒れた生活を潤すハート
苦し紛れに やっと言えたこと
にんまり笑う君が見たい