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忘却の嵐
嘘を奏でて 金網から抜け出す
密かに波立てた伏線 肌寒い夜
馬力は徐々に影を潜めて
剥き出しの七転び八起き
出てくるものは永遠の夢物語
ライトアップされる 儚く散る
言い訳ばかりをばら撒く日々
きっかけの老兵 旗をふる
大きな枠に阻まれる 路地裏の影
幽霊船が滞るポストの辺り
電光石火の青春を終える
瞬きを繰り返すだけの虹色
素敵な出会いを求めて彷徨う
柳の間をすり抜けて 魂を転がす
冒険者は地図を持つ 変わらぬ心
道草ばかりの忘却の嵐だ
涙を振り返る余韻のつまみにした
ぼんやり聴いた名曲が耳を塞いだ
ジグザグしたペダルを漕いで
常識でまとったマントで飛ぶ
人でなしの制約を押しのけて
立ち並ぶ同じ顔した貝殻
光合成 深海へと綺麗に沈む
感情を捨てた道化師が
笑いながら頷いている
逆だてる仕草をもう一度思い出して
我慢がとうとう限界を迎える
探していたものはルートの中
名前を呼ぶ そこへ向かう
扉 階段 思い出と堕落
右手に握っていたものが
狂喜乱舞の瞬間に光る
さあ行こう もう大丈夫だ
言い切る明日を力に変えて
澄んだ表情と希望の身振り
ひとつひとつ言葉を放つ