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ここから出よう
明日へ向かう 息切れの冬
交わらない 極楽 知らない領域
吹雪の音 体の中で
何にもできない 水の中
昨日の続きの 話をした
何日もかけた 寝返りは
何日も前の おやすみの途中
スローモーション 歪んだ 空気
なんにもならない 荷物をおろした
夜風にあたり 1100の
星を眺めに 乗り込む座席
ビンの中は なんにもないけど
余裕しゃくしゃく 溜まるガソリン
スケール違いの かなわぬ憧れ
ありふれていない ありふれた当たり前
脱獄犯は 壁をのぼる
冷たい風は 緩くなる
次の展開 死んだ人々
明日へ向かう ここから出よう
行き先は きっと 知っているはず
ギリギリの列車 当たりは強く
春はすぐそこ あともう少し
長い冬は 幕を降ろすところ