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少年の日
そんな顔して 待合室での再会
時の流れを共に歩んだ夏の日
二人きりの高架線 雫が滴り落ちる
ボール紙 薄い掌で切り刻んだ
仕掛けたものは 最果ての彼方
近いうちに約束を果たした
動かなければ永遠に来ない夜明け
サイドスローで投げ込む思い
13歳の残像が垣間見えた
偉そうに見下す デカい車で現れる
欠片は少しも変わらないのに
シャウトと足をくじいた砂埃
遠くにいる君に向かって
左手で投げ込む思い
鯉が池で泳いでいる 夕方5時
まもなくあの頃の僕らが帰る頃
鉄棒が夕日に照らされて
寂しく光る 何もなく終わりそうな日
大人への階段のその最中
灰色の風も透き通る秋の空も
身体で浴びているその最中
うまい酒を酌み交わして
覚えたてのうんちくを語る
すすめたものは噛み砕く
ぎゅうぎゅう詰めのカウンター席
ニヤつく冷やかし 戻らない関係
腐れ縁 無神経にゆく 二度笑う
理由はなければ次が来ないけれど
昨日の続きの話をしよう
忘れがたき 少年の日
夏でも冬でも おんなじ温度で
聞こえる 今もずっと ひっそりと
突き動かすものは あの頃にあるんだ