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放ったらかしの悲鳴
コンクリート 咲くひまわり
黒ずんだ通り道 長い工事
ロータリーを回る車と対面する
雨をしのいだ忘れ物
持ち主は現れず 曇る空
あの青春は居ないのだと
思い知らせるような風穴
黙々と動くざわめきは
いつからか期限がきれていた
自転車が並ぶ50年の道
じわじわ出てくる液体は
誰も求めてはいやしない
絶望の淵 踏みつけることは
いつも自分の頭の中だけ
言い訳なんて つまらないもの
転がる石程 ありふれている
誤魔化しながら 気づかぬふり
バリバリ破れる音がする
崩壊する 痛みは増す
初めの安心感など薄れてゆく
開かないドア 禁じ手の制圧
冷え込んだ部屋 逃げ込む場所はなし
放ったらかしにされたようで
睨みつける 偽善の心
吹っ切れるまでの道中で
破壊されゆく 素直な心
死んでゆくあの日の思い出
帰り道のイライラは
危険すぎるサイン 悪の化身
放ったらかしの悲鳴
終わらない 終わらせない
何もない 残らない 返事だけ
並ぶ青さを 直視できずに
ただ歩く ゴミで溢れる夜道
灯りはどこだ ここはどこだ
絶望なんてとっくの昔から
増えたものは何?
苦痛の表情 隠しきれず