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もう一度君の元へと
ロクでもない一瞬の贅沢は
ほとばしる利益に モノを言わせた
少し俯く顔を 遠くで眺めた
高ぶる気持ちがあれば良い
気づかぬうちに 二、三の本音
細目で辿る目線の奥
自然に吸収されていった
通いつめた 冬の間
流れ出た嘘を本当にしたくて
にっこり笑う 見つめる手先
消えた時間は金が解決させていく
密着した 少しズレた感覚
低めの声 止まらぬ情を受け止めた
繰り返す度 混じり合ってゆく
マニュアル通りは最初だけ
一度だけの祝福の日も
柔らかく 鼓動を知らせてくれた
一から百までの流れの中に
唯一の振る舞いを見つけ出す
言えないこともあるけれど
未体験の花吹雪を浴びさせておくれ
少し離れた後で 仕返しをするように
みんなの元へと飛んでいった
目を覚ます その前から
鳴り始めた 本当の気持ち
何ひとつあげた事はないけれど
外野の贈り物 分け合った
ひとつひとつを覚えている
とうとう爆発しそうな頃に
剝きだした作戦を試みる
一度敗れた春の日も
少しだけは回復できた
もう一度君の元へと
疲れ切った身体で行く
再会をどんな表情で
数百の記憶から引っ張り出す