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再会なのか
数年越しに無精ヒゲ
頭に浮かぶあいうえお
ひとつも良いことはありはしない
壊れ果てた鈍いパーツは
あの頃と変わらず付き合っている
せっかくの行楽日和にも
凍える心が闇を作る
突き放して 見下ろして
声は一度もかからぬまま
対局の並ぶ足 月夜に変わる空
ドライブ気分の無理した笑い
小さな心 リアルになった辺り
これからお前はどこへ行く
果たしてこれは再会なのか
別れ際から一度も思い出さぬまま
池の中をぐるぐる泳ぐ
緑は深々相変わらずだね
確かにあった黄色い季節
濁流と共に流れ去る 遠い街
声はとうとうかけなかった
見知らぬフリを突き通した
それでも過ごした無邪気な生活
どこを取っても大切だった
分離していった 失くしていった
思い出なんてなかったかのように
一度も出会ってなかったかのように
まわる まわる
さよならから幾多の日々