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黒猫

作者: くろねこ

 私は夜の散歩を日課として居ますので当然の事ながら、夜歩けば様々な生き物に出合います。

 猪、狸、猿、果てはハクビシンまで。


 その中でも、際立って印象的だった生き物が居ます。

 その生き物とは、黒猫。

 そのネコに関する不思議な話です。


 

 数年も同じルートを何時もの様に歩いて居ると、その通りに住んでいる生き物と顔なじみになってきます。

 言葉は伝わりませんが、気持ちはアイコンタクトで以心伝心。

 

 

 ブロック塀の上に居るネコに 「こいつ、何時もご苦労さん」 とか、藪に居る猪に 「こんな時間に来るなよなぁ…」とか、繋いでいる犬に「てめぇ 何勝手に人のシマ荒らしているんだ?」とか言う感じで、大体相手の気持ちは伝わってきます。



 しかし、その時に会った黒猫は違いました。

 彼は闇に溶けるような漆黒の体で暗闇の路地から出てくると、何かを訴えるような目でじっと此方を見て居ます。

 気になって自分が座って彼を見ていると、黒猫も前足を揃えて此方を見つめて居ました。

 まるで彼が人間の言葉を喋れれば、喋る様な素振りで。

 ――その場で暫くの時が流れましたが彼の言いたい事は判りませんでした。


 そして、私は訳の判らないまま家路につきました。



 ――彼の答が判ったのは、次の日になり朝のニュースを見ての事です。


 

 彼には判って居たのかもしれません。

 しかし、伝える方法が無かったに違いありません……。

 


 ――もし、そのような生き物を見かけたら少しだけ気にかけてやって下さい。

 あなたを助けたいと思って、何かを伝えたいと思ってるかも知れませんから。


 

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