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小さい兄さんの一息

作者: 永進
掲載日:2026/04/26

双子の兄弟、兄と弟は『アレ』が全く違う。

「今日も勉強疲れたー!」

と、大声で言い、息を吐く。

1人での下校、別に友達がいない訳じゃない。方向が違う、それだけ。

中学3年生、初めての受験。中学には受験しないで自動的に入れたから。バスが1時間に1本で、新幹線もない、そんな田舎ってこともあって。

人生初めての受験、高校受験で、ハイレベルな所は狙っていない、地元の進学校に入ろうと思っているから、多少は楽だ。けど、人生で初めてなこともあって、ものすごくドキドキしている。

試験の雰囲気は分からない。けど、ピリピリしてそう、とは思う。

オレは生徒会長ってこともあり、余計に緊張している。

まだ、夏だけど。部活を引退したばかりの、9月。9月も夏だ、暑いから。なんなら10月も夏。

夏って何だっけ。

「…アレが飲みたい」

ボソリ、と呟く。


田舎の中学校だから、『学校では水しか飲んではいけない』というルールがある。2026年なんだが。昭和みたいなルール、呆れる。嫌になる。


アレを飲みたくて、早歩きになる。


仕事帰りのサラリーマンみたいな気持ち。けど、オレはアルコールじゃなく、アレ。

そう、アレ。




①箱からコーヒーのスティックを取り出す。もちろんブラック。


②コップに『カルシウムたっぷり!』とうたった牛乳を200mlそそぐ。


③スティックを手で開け、牛乳が入ったコップに入れる。


④箸で混ぜる。


⑤飲む。牛乳のまろやかさとブラックの苦さが上手い具合に交差し、美味い!


カフェインも尚よし。

夕方だけど、カフェオレだから『眠れん!』とはならない。


「カフェオレうめえっ」

一気飲みし、言う。

『アレ』とは『カフェオレ』のこと。

カフェオレのスティックじゃなく、『カルシウムたっぷり!』の牛乳とブラックのスティックなのが肝心。『カルシウムたっぷり!』なのが。


オレは中3ってのに、入学式で買ってもらった制服が未だに…。

アイツは何回も変えてもらってるのに。


「仕事終わりの1杯は美味いなっ、やっぱり」

うんうん、うなずく。

中学生の仕事は『勉強』をすること。

オレは生徒会長だし、受験も近くはあるし、勉強を頑張らないと。

責任と緊張。それに勝たないといけない。


学校でもこのカフェオレを飲めたら、美味くて授業ももっと頑張れるかはいいんだが。給食では牛乳出すくせに、水しかダメとか。




「なんだ、兄ちゃん帰ってたのか」

のんびりとした声が後ろから聞こえる。

「僕もなんか飲も」

自然とオレの隣に立つ。

のんきな表情をした、双子の弟。


明らかに、弟の方がでかいんだが?

イラッとする。


「僕も牛乳飲も」

「ダメだ、お前は絶対にダメだ」

「えー、なんで?」

「弟なんだからオレよりも小さくあれよ! 双子で同じクラスだから笑われるんだよ! オレが!」

だから『カルシウムたっぷり!』の牛乳を毎日1杯飲んでるのに全く効き目がねえっ!

「てか、お前、またでかくなったか?」

「思春期だからね」

ニコッ、とされる。


オレも思春期なんだが…。

未だに制服のサイズが入学した日と変わらずという。大きめのを買ってもらったけど、ゆるさは変わらず。畜生。

「もうお前はブラックコーヒー飲んでろ、それ以上でかくなるな」

「でかすぎってことはないんだけどなー」

「は?」

「何でもありませーん」


『カルシウムたっぷり!』の牛乳、マジでオレの身長をなんとかしてくれ。

給食でも牛乳飲むし(普通の牛乳だが)、毎日2杯飲んでるってことになるんだけど、やっぱり『カルシウムたっぷり!』を毎日1本飲んだ方がいいのか?

もちろん1Lを。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


コメディーかヒューマンドラマか、コメディー寄りのヒューマンドラマ?

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