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助けを呼んだらそこにいる! ──風鈴マン

作者: あたし
掲載日:2025/12/30

「た、助けて!」


 怪人不良学生に襲われて、あたしは声を限りに叫んだ。


「あァ? 無駄だぜ、ねーちゃん。こんな辺鄙な工事現場になんか、誰が助けに来るもんか」


 不良学生があたしを羽交い締めにする。


 それ以上何をするわけでもなく、そのまま「へっへっへっ」と笑いながら、体を揺らす。



 ちりーん……



 いつの間にか、あたしたちの前に、タコ型火星人みたいなひとが立っていた。……いや、これ……ヒト?


「だっ……、誰だ、テメー!? どこから現れた!?」


 不良学生がうろたえたので、腕から抜け出せるかと思ったけど、またがっちりと羽交い締めにされて、あたしはまた叫んだ。


「助けて! そこのタコみたいなひと!」



 ちりーん……



 風流だった。


 そこであたしはようやく気がついた。

 これ……タコみたいに見えるけど、風鈴だ。よく見ると金魚の絵が描いてある。



 ちりーん……



 風が吹いたら風流な音を鳴らす。

 それだけだった。

 そのひとは何も言わず、何もしなかった。



 ちりーん……



 あたしはその、心に染み入る音色に、聞き惚れた──



「消えろや!」


 怪人不良学生のパンチ一発で、風鈴マンは爆発し、砕け散った。

 あぁ……。これだから風流を解さない野蛮人は──


「じゃ、お疲れさまー」


 怪人不良学生はあたしをあっさり解放すると、どこかへ去っていった。


 なんだったんだろう、この闘い……





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― 新着の感想 ―
ああ、悲しき硝子製風鈴。 南部鉄器製風鈴ならこんなことにはならなかったのに。
 風鈴マンもですが、怪人不良学生も不思議なキャラクターでした。正義の味方(?)と戦って勝ってみたかったのだとしたら、あっさり語り手を解放したことにも納得できます。あの一撃で念願が叶ったのですね。
 女性を羽交締めしたまま、風流に和まれても困りますしね(笑)  コブラツイストだったら?
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