34 魔力過多症支援施設
思い付き配信のあと、家族とレーナ姉ちゃんとで話し合って、動画でアイデアを告知したんだ。
そしたら冒険者さんからも患者さんやその家族からも、賛成してもらえたよ。
完全に魔力チャージだけのボランティアでいいっていう人も増えた。
今は冒険者さんたちの協力も、いっぱいある。
だから魔力ポイントも、いっぱいあるんだ。
モンスターに関わらなければランクは不問だろ? って。
抜け駆けしてカッコつけんなwって言いながら、どんどん参加してくれる人が増えてったよ。
お調子者だけど、みんなカッコいい人たちだよね!
僕はダンジョンを広げるのと同時に、バリアフリーな家も作ることになった。
最初は小規模だけど。
空中庭園にある高級旅館のアイデアはボツです。
だって数が必要なのにコストがかかるもんね……。泣く泣く諦める羽目になったのです。
残念だー。
それに近くの人しか呼べないしさ。企業さんの協力があると言っても同時に開始なんてことは難しいからね。魔力ポイントで作れる僕が一番早く実用化できるのは、当たり前ってことだね。
不公平はあるけど、一気にはムリだよ。
それに最初はどうしても……人体実験みたいになっちゃうのも問題だし。
最初の実験は僕がやってて、安全だって分かってるけども。
もちろんそれも告知してあるよ。そしてそれでもやって欲しいっていう意見が多かったんだけど。
僕とレーナ姉ちゃんには分かることだから、先行してでも始めたかった。
ただ……ダンジョン庁、冒険者ギルド、医師会が協議。厚生労働省の監督の下で発足ってレーナ姉ちゃんに言われた。
「は、話がなんかスゴイ大きく……」
「太一くんがやろうとしていることは、そういうことよ」
「う、うん。でも助けてあげたいもんね!」
「ええ」
僕たちには魔力過多症がツラいの、分かるから。
なんとかできるなら、なんとかしてあげたいから。
「配信開始まで5、4、3、2──」
「こんにちはー。今日はねえ、魔力過多症支援施設が、やっとできたっていうお知らせです!」
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──5年後──
「太一くん、威厳バージョンの要望が入ってるわ」
「分かったー。僕もイケオジポーション使う?」
「それはいらない」
「むー……」
せっかくできたのに誰も求めてくれないや。
せっかくのイケオジ化なのにね?
5年経っても男の娘のままは、チョットなあって思ってるのにさあ。
頑張ったんだよ?
だって100層超えないと作れなかったイケオジポーションなんだよ?
なんのために頑張ったと思ってんだよー。
「求められてるのはドラゴンと男の娘」
「ぐぬぬーっ」
ゴールドドラゴンのディーバだって赤ちゃんなのにさ。
そりゃあドラゴンだしさ、能力も高いから重い症状の人でも楽にしてあげられるけどさ。
イケオジとドラゴンが治すのってカッコいいと思うんだけどなあ?
「太一くんと私はただの付き添い」
分かってるけどさ……僕だけ子供っぽいからなあ。
レーナ姉ちゃんと並んだときの差がね?
威厳バージョンのときくらいはカッコよくなりたかったのに!
「ほら、太一くん」
「うん。こんにちはー、威厳バージョンのディーバちゃん連れて来たよ」
「もう大丈夫」
「レーナ姉ちゃんの言う通りっ。すぐ楽になるから安心してね!」
まだ関東信越エリアだけだから、もっとダンジョンを広げないとね。
がんばるぞー、オーッ!
これにて完結です。
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