25 ポイントの使い道
やっぱり魔力ポイントを注ぎ込んだほうが、ランクが高いモンスターが出る可能性が上がると思うんだよねー。
それにさ、冒険者さんたちのおかげでポイントも、たーっぷりあるんだ。
「レーナ姉ちゃんに相談しよっかな」
「やるべきよ太一!」
「ええ。キューちゃんのお友達は必要ですからね?」
母さんと婆ちゃんの答えは知ってるから、聞かなくてもよかったかな。
レーナ姉ちゃんは今、ダンジョン庁本部に行ってるから戻ってきたら聞こう。帰って来るのは夕方になるって言ってたから──そろそろだよ。
「レーナ姉ちゃんに相談してからね!」
「では夕食のときにでも相談しましょう」
「イチゴ取ってくるわねー」
母さん……イチゴのワイロを送る気だ。
キューちゃんと遊ぼうかと思ったけど、母さんが連れてっちゃった。あーでも、家だと追尾カメラ使えないから、いたとしても撮影はできないかあ。
婆ちゃんは夕飯の準備をするみたいだし、僕も手伝おーっと。
「スマホでの撮影は全力で撫でられないからなあ」
「協力者が必要ですもんねえ」
「レーナ姉ちゃんにばっか頼むのも悪いしね」
「レーナさんだって撫でてあげたがっていますもの。太一、甘えてばかりではいけませんよ?」
「一番の問題は婆ちゃんたちがキューちゃんを取っちゃうからだよ?」
「キューちゃんには元気をもらえますので……お砂糖を取ってください」
「はーい」
婆ちゃんもキューちゃんをあんまり譲る気はないんだなあ。冒険者さんの前では反省しなくちゃって言ってたけどね?
でも、婆ちゃんが元気になるなら、それでもいいのかもしれないや。
「結局はデッドリーベアが増えたら解決するってことになるんだなあ」
「太一の運に期待していますよ」
「僕も期待してる……成功したことはないんだけどさ」
レーナ姉ちゃんの運にも期待しとこーっと。
「ただいまー」
「ただいま。おば様も道で拾ってきた」
母さんはなんで道で拾われてんの……。
って思って聞いたら「練乳を買って帰ってたのよ。丁度いいタイミングだったわ」ということだった。
完全にレーナ姉ちゃん狙いじゃん。
「あれ? キューちゃんは?」
「みんなと遊びたそうだったから、今日はダンジョン」
「分かったー」
「太一、配膳を手伝ってください」
「はーい」
ご飯作ってるときに気付いたけど、婆ちゃんもレーナ姉ちゃん狙いだったよ。
肉じゃがと豚の角煮があったから分かってた。
好物だからね。
これは僕も好きなおかずだからラッキーだったのです。
特に角煮はなかなか出てこないメニューだからね!
「やった、角煮。今日は私の好きなものばかり」
そう言ったレーナ姉ちゃんが、僕らをチラッと見て考えるような顔をした。
「さすが家族。私へのお願い顔が似ているわ。なにが狙い?」
キリッとした表情で聞かれた。
カッコイイ。
「えっとねえ──」
僕たちは赤ちゃんモンスターの追加がしたいことを熱く語った。
それはもう灼熱のようだったよ。
「私に許可を取るようなことではないわ」
「チャージしてある魔力ポイントをさ、いっぱい使ってみようかなって話してたんだよね。だから聞いておこうかと思って」
そうしないとキューちゃんのお仲間が出なそうだからさ。
いっぱいっていうのを正確に言うと、初召喚の2倍……使っちゃおっかなーって。
「その……20万ポイント……ダメ?」
これだけ使うと、魔力残高は10万くらいになっちゃうんだ。
階層の追加が、また遠のくんだよね。
「私の許可は不要。太一くんのやりたいことを応援するのが私の役目」
赤ちゃんモンスターでも、階層の追加でも、どっちだってダンジョンの成長だから問題ないって言われた。
悪いことしなきゃ止めたりしないって。
「私は太一くんも柄山家も信じている」
「あ、ありがと。レーナ姉ちゃん」
「私は柄山家に救われた。たった1つの希望だった。だから太一くんが悪いことしても、泣いて謝るまで地獄コチョコチョくらいしかしない」
「それはイヤですっ!?」
「悪いことしなければいい」
しないよ?
しようって思ったこともないし!!
「地獄コチョコチョの入り口でもヒドイ目に合ったのにー」
「太一?」
あっ……ば、婆ちゃんの目がっ!?
「お婆様、問題ない。正常な男子の反応だっただけ。あのときのコチョコチョは私のイタズラ」
だ、だって目の前で……そのぉ、揺れたら仕方ないじゃん!
目で追っちゃうよっ!!
レーナ姉ちゃん綺麗だし、ぷにょって当たるし、いい匂いだし。
側にいるだけでドキドキするのに当たるんだもん!!
だけどそんなことばっか考えてたらナイスミドルは遠いかもだよねえ。なんていうか、こう……余裕を持つ、感じ? を目指そーっと。
ご飯の片付けは母さんと婆ちゃんがやってくれるそうなので、僕は冒険者さんたちにも聞きに行くことにした。
ダンジョン1層に行くと、相変わらずバーベキュー大会が開かれてた。今回の組の人たちは4連ちゃんでも気にしないみたい。前回の組の人たちは2回しかやってなかったから人によるんだろうね。
野菜と果物はご自由にお取りくださいって出してる。みんな美味しいって言ってくれるから嬉しいね!
婆ちゃんも喜んでるよ。
「あれ? 太一くんじゃん」
「こんばんはー。ちょっと聞きたいことがあって」
チャージされてる魔力ポイントは、冒険者さんたちの魔力でもあるからね。
使い道を伝えるのって大事な気がするんだ。
「新しい赤ちゃんモンスター呼ぶんですか!?」
「ウオオオオ! 望むところぉ!」
「お名前、ここで付けるのはありですか!? ……ぁぁ……なしですか」
みんな気にしないみたい。というより、もっといたっていいって感じだ。モンスターがいればいるほど、お世話できる可能性が上がるからって言われた。ぺんぺんやハムハムみたいなモンスターが増えたら、Cランクの人も増やせるのではって考えだ。
「僕もそうだけど、みんなも欲望に忠実ってことだね!」
生きるってこういうことだー!
「ところで……赤ちゃんモンスターを召喚するところ、見てみたいのですけど」
あ、どうなんだろう、それ。
「レーナ姉ちゃん?」
「操作しているところを見せなければ問題ない」
「出てくるところは見られてもオッケー?」
「あの出現の仕方は、一般的な出現の仕方」
「じゃあ明日の仕事が終わったら配信しよっかな」
それならここに来てる冒険者さんたちも配信を見れるしね。
「明日の夕方6時って告知しときますー。でもその時間だと、夜ご飯が遅くなっちゃうけど平気?」
「おにぎり食べながらする」
「あ、いいねそれ。色んなの作っといてもらおうよ」
「俺たちはBBQしながら配信を見るから気にしなくていいよ」
それもそっか。
じゃあ明日はデッドリーベアが出るように祈っててって伝えておいた。




