16 お試しBBQ
自動改札設置には少し時間が必要だから、先に他のことを済ませちゃうよ。
マジックバッグ自体がお高いから、売るのにも少し時間がいるしね。そんなわけで2日使って販売用のマジックバッグを作って、昨日冒険者ギルドに届けたとこ。
資金ができて、メーカーに発注して改札機が届くのにも時間が必要だしさ、 ダンジョンのアイテムにあればよかったのになー。冒険者のランクを調べるっていうシステムがないから、アイテムにないのかもしれないね。
ただの道具だしバーベキューの道具は普通にリストにあったよ。
網やトング、それにとても大事な炭。
着火用の道具は100均で買えばいいかなって思ってる。
火打石は雰囲気あっても不便だからなあ。魔法的な着火道具はコスト的に無駄だしさ。それからねえ、コンロは大型のがいいんじゃないかって思うんだよ。
大勢でやることになりそうだし。
探すと石積みの焚き火セットがあったので、その上に網を乗せる形にする。不便かもしれないから、普通のタイプもいくつか用意しておこうかな。普通のが使い慣れてる人もいるでしょ。
それからテーブルと椅子。これは丸太を切ったタイプにした。雰囲気重視で4人用を6セットで24人分。
街路樹なんかも生やして、ハンモックも付けちゃう!
「キャンプ場みたいになったわね!」
「でしょ!」
「試してみるべき」
「そうですね。一度試してみましょうか」
みんなテンション上がってるのでお昼はバーベキューに決定っ。
バイト再開の来週までに、不便なところを洗い出すためです。
ため、なのですー。
「太一くん、お肉買いに行こう」
「行くっ! チーちゃーん」
生やした街路樹をチェックしてたチーちゃんを呼び戻す。
一緒に行かないとね。
チョット興奮してる自覚あるから、気絶対策しておかないと。
レーナ姉ちゃんとお肉とお米が最強だよねー、なんて話ながら買い物を済ませる。
食べ物ある場所だし、チーちゃんは店内に入れられないので、気を付けながらの買い物。
メインのお肉はもちろん、貝とかシイタケもブリンってしてるのを選んだんだー。
家に帰ったら母さんと婆ちゃんはダンジョンで待機してた。
焼きおにぎりにするつもりらしく、おにぎりも待機してる。
そして赤ちゃんモンスターのみんなも待機してる。
「準備万端」
「ねっ。ただいまー。お肉とかホタテとかエビ、買って来たよー」
「おかえりなさい。2人とも」
「おかえり。さっそく始めましょっ」
バーベキューのやり方をググりながら準備を進めたんだけど、トングが思った以上に必要だったのに驚いた。
肉、魚介、野菜、炭用……まさか4個も必要だったなんて。
お皿もいっぱい必要だった。食べるとき用はもちろん、加熱前のを置いておくのにね。家から持ってくればいいけど、雰囲気を高めるためにダンジョンアイテムを購入。
木のお皿や木のコップを使うのです!
「ゴミ捨て場が必要ですね」
「結構出るからダンジョンで自動処理にしちゃうよ」
これって結構凄いことだよねえ。
他のダンジョンではスライムが食べてることが多いって、レーナ姉ちゃんが教えてくれた。
僕んちのダンジョンは、僕がダンジョンマスターになったので設定できるのだっ。
ゴミ捨て場に入れたものは魔力に分解するように設定。
無駄なくダンジョンを運営しよう。
「シイタケも侮れなかったっ」
キノコ類もダンジョンで育てようって決めたしね!
魔力ポイントはいくらあっても困んないんだ。
「しかし肉が余るとは思わなかった」
「だよね」
モンスターたちも食べる予定で買って来たんだけど、好みではなかったみたい。
野菜か果物が好きっぽい。
スケアリーウルフ……肉じゃないとわっ。
ファンタジーの生き物なんだなあって改めて思った事件だったよ。
だけどお肉をあんまり食べなかったから、みんなのご飯が足りない状態になったので魔力ご飯にしたんだ。
その結果、母さんの魔力ご飯が1番人気なかった……のでションボリしちゃった。
1位僕。2位レーナ姉ちゃん。3位婆ちゃん。4位母さん。
この結果からレーナ姉ちゃんは、魔力ご飯は魔力密度が関係してるっていう答えを出した。
母さんは魔力がまあまあ多いほうだったけど、人気なかったからね。
密度的には鍛えてるレーナ姉ちゃんが1番だけど、ダンジョンマスター特権で僕が1位だったよ。僕のが単純に好まれてるみたい。
「キュウリよ! 太一。キュウリの増産をしなさい」
あげ過ぎはダメだってば。
「うふふ、太一が毛玉になってしまいましたね」
「動けないヤツになっちゃった」
みんな満腹になって、お昼寝タイムだ。
「ねえ太一くん、泊ってみるべきだと思う。施設の使い勝手を知るのはいいこと」
「そうだねえ。魔力も貯まるしねっ」
「おば様、お婆様。私は数日ダンジョン暮らしをしてみることにした」
「あ、それなら僕も。僕がいたらすぐ調整できるし」
少しの間、ポイントを貯める必要がある。使っちゃってるので足りないよ。果樹園とか畑の拡張とかに使う分。
モンスター召喚分も必要だしさ。
「そうですねえ。であれば炊事や洗濯も自分でやってみなさい」
「それがいいわね。分かんないことがあったらレーナさんに聞くのよ?」
「分かった」
「任せて」
今は僕が毛玉状態になってるので、片付けは任せることになっちゃった。
僕も片付けられた。
レーナ姉ちゃんに。
ハンモックの下に連れて行かれて意味が分かったよ。
ちょこちゃんたちフェアリーバットが近くにいられるからだった!
「レーナ姉ちゃん天才じゃん」
「でしょ?」
さすがエリートだなあ。
「太一くん。1層にも泉を追加したほうがいいと思う」
そのほうがキャンプ場っぽいって。
それ、採用です。
「そういえばぺんぺんたちには海、いらないの?」
「彼らに付いて行っても海にはたどり着くことはない」
ピングウィスは海のモンスターじゃないらしい。
ペンギンなのにね?
「モンスターだからかなあ」
「だと思う。寒冷地以外にも出現するし」
「キミたちは不思議な生き物だねー」
僕の足の間に入って、僕に寄りかかって座ってるぺんぺんくんのお腹をモチモチナデナデすると、くぁぁってあくびした。
「柔らか可愛い」
「ぺんぺんくんの名付けママは私のはずなのに」
「産んだのは僕だし?」
越えられない壁がある!
ってシナシナになるレーナ姉ちゃん。
そんなこと言われたってねえ?
「太一くんはママというよりは娘っぽいのに」
「大人ポーションはなかったから、じっくり鍛えて立派な男になるもんねー」
ミルクやだんがんくんと、かけっこかな。
まずは。




