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変化

目を開けると自称父親のコレクションと戦闘していた。

とりあえず状況を確認したかったので、一旦戦闘を止めたかった棟万千はコレクションに即効性を高めた麻酔を打ち込んだ。

どこかをいじられているのか効きは悪かったが、それも三十秒だけで一分もすると完全に停止した。

「おい、ツキ。なにがあった?」

「え、あれで覚えてないの?」

「ああ。妙な物打ち込まれてその後のことはおぼろげだ」

カケラのよると、あの弾の中身は人工的に尾暴者を作りだす薬で、自称父親の自作。自称父親は棟万千の唯一の支えだろうカケラを襲うように命令したが、上手くいかなかったのだという。そればかりかコレクションから守ったらしい。

「そりゃまあ、いつもみたいにスマートに戦ってたわけじゃないけど、普通にいつも通り強かったよ」

自称父親は不満そうに声を荒げた。

「何故だ! 何故私の命令に歯向かう!? 調合は完璧だった! 逆らえるはずないのに!?」

「おいおい。俺は誰にも従う気はねぇぞ? でもまあ」

カケラの頭に手を置く。

「唯一俺が従うのはこれだけだな。これに使われるのは気分がいいからな」

「トウ君、人をこれ呼ばわりしないで」

「すまんすまん」

棟万千はカケラの頭をポンポンした。

「さて、てめぇが投与してくれた薬のおかげで元気モリモリなわけだが、どうする?」

「クソが!」

結果的にいうと自称父親はあっけなく敗北した。

棟万千に打ち込んだ薬を自分にも打ち込んだが、特に何が起こるわけでなく、あっさりと棟万千に組み伏せられた。

まだ懐に残っていた薬は月満が解析することになった。

カケラ父曰く、五年もすれば中和剤が完成するのだという。



十年後―――

月満の系列会社で犯罪が起きた。

「面倒なことになったね」

「タイミングが悪かったな。ったく、お前がクレープ食いたいとか言うからぁ」

「ええ……だってぇ」

ちょうどイグサとカケラは視察に来ていた。

月満学園を卒業後、普通に就職しようとしていた棟万千を、またも権力でカケラが専任ボディガードに任命した。しかも他の会社の初任給の倍で。

断る理由はない、かつ断るとなにかしそうだったので受けることにした。そしてーー

「えーっと? あんたは?」

事情聴取をしにきた刑事に訊かれたので棟万千は肩書きを答えてやった。

「月満カケラのボディガード兼夫」

「尻尾は」

「サソリだが?」

「サソリが月満令嬢のボディガードで夫とか。すぐバレる嘘つくあたりさすがサソリというか」

「えー、だってよぉ。奥さん」

「え?」

するりとイグサの腕に自分の腕を巻く。

「月満様、脅されているようなら我々にお話くだしい」

「ちゃあんと恋愛して結婚したよぉ? 疑うの?」

「いえいえ。ですが月満の令嬢がサソリを選ぶなんて」

サソリなんて。もう何度言われた言葉だろうか。

「どーせこの事件も俺が犯人んとか思ってるんでしょ。言っとくけど俺らが来たのは事が起きたあとだぞ」


夫という肩書きが増えたのは二年前だ。

棟万千の苗字は月満に変わり、棟万千家との縁も切れた。

世間からの目線は何も変わらないが、今は愛する妻がいる。

イグサはそれだけで十分だった。

お読みいただきありがとうございます。

次回作もお楽しみください。

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