恒例行事
「いい加減認めろ! こっちはお前のせいで余計な仕事が増えてんだよ!」
「だーかーらあ! してないって言ってるでしょうが!」
現在棟万千には生活指導室に呼び出されていた。
理由は、なんだったか。ああ、そうだ。テールリーグの賞金で一部の教師を買収して事前に解答用紙を手に入れたから、らしい。
「自称カケラさんの恋人だからって、何でもかんでも許されると思うなよ!」
「それも違うって何回も言ってるでしょ! つきまとってるのはツキの方!」
「カケラさんをツキなんて呼ぶとかなんて馴れ馴れしいぞ」
「クラスメイトにあだ名つけて何が悪いんですか。本人は気に入ってるらしいですけど」
棟万千が発言すれば教師が全否定をしてくる。こんなやりとりが二時間以上続いている。
毎回のことだがよくもまあ、何時間も同じ話を出来るものだ。
「それにお前はカケラさんにトウ君と呼ばせているらしいな」
「勝手にそう呼んでるのはツキの方ですけどね」
「彼女は理事長のお孫さんなんだぞ。わかってるのか?」
「知ってますよ? だから何ですか?」
先程も述べたが、棟万千からしてカケラはただのクラスメイトに過ぎない。クラスメイトと仲良くして何が悪いのだろう、と思う。まあ、そこが気に食わないのだろうが。そういえば、一年一学期の終業式はこんなではなかった。棟万千に取り入れば仲良くしているカケラにも取り入れると思ったのか、べた褒めされた。
サソリを選んだのはさすが、尻尾の艶が素晴らしい、成績も努力の賜物、等々。
微塵も思っていないことを言われて気味が悪く早々に帰って来た。
二学期も始めの頃は同じような対応をされとんでもなく気持ち悪かったことを覚えている。
「お前と一緒にいるから学園外でカケラさんが危険な目に遭うんだ」
「俺のせいじゃなくて月満の性でしょ」
「お前のせいで月満学園の評判はガタ落ちだ。ただでさえサソリを通わせてるってんでクレームが鳴りやまねえのに」
「だったらさっさと退学にでも永久休学にでもすればいいでしょう。俺は訴えたりしませんよ?」
「出来たらとっくにやってる。カンニング常習犯のくせに。まるで答えを丸暗記したような、あ、そうか。カケラさんに頼んで解答を手に入れて……」
「それだとツキもカンニングしてることになりませんか?」
「カケラさんはそんなことしない!」
「理事長の孫は無条件で信じて、サソリの俺は無条件で疑うんですね。国家公務員の教育者が聞いて呆れますね。ていうか学園内ならともかく外なら教師業務の範囲外でしょ。外のことまで持ち出してそんなに言うことないんですか?」
当たり前のことを言っただけなのに棟万千の視界が右にいきなり動く。
「いった……何怒ってるんですか(笑)」
教師は顔を真っ赤にして睨んでいる。
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