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8.激しい親子喧嘩と親孝行


 すっかりウィルも侯爵令息として振舞っているし、アンジーは淑女教育か順調で安心安心と思っていたんだけど、事件が勃発。


「数年って言ったじゃねーか!クソ親父!」

「っ、クソとはなんだ?礼儀を弁えろ!俺は騎士団長だぞ?」

「家ではただの親父じゃねーか?」

 アンジーがオロオロしている。


「どうしたのよ?二人とも?」

「ウィルが!」「親父が!」

 ウィルが『親父』と言うまでになったのはいいことだけど、ここまで喧嘩するのはねぇ。アンジーがオロオロ困ってるし。


「はぁ、ウィルが騎士団を辞めるって言いだしたんだ」

「もう、目的の体力づくりは出来たしいいだろ?」

「まぁ、そうなんだけど―――親父としては跡を継ぐみたいにお前に騎士団長になって欲しかったなぁと」

「ウィルにもなんかやりたいことあるんでしょ?」

「魔術の研究。古文書を読み解いて古代の失われた魔術の復活」

「危ない魔術よりも母さんとしては、生活魔術の充実がいいなぁ」

「それもいいなぁ」

「コラ!二人で夢を馳せるな!俺はウィルに騎士団長になって欲しかったんだよぉ」

 酔ってるの?誰か呑ませたの?

「おとうちゃま、わたちがきちだんちょうになる!」

「そうか、アンジーが。優しい子だなぁ。って女の子があんな男の中に入って行くのか危険だ!いろんな意味で!」

 コンラッド様が覚醒したわ。

「でも、アンジーもこう言ってるし。私は女性の騎士がいてもいいと思うわ。ウィルを出産するときに『こんなときに女性の騎士がいたら頼もしいのに』って思ったもの」

「そう言われるとなぁ」


 アンジーは淑女教育と並行して、コンラッド様直々に騎士としての訓練を行った。

「アンジー、毎日素振りを50回・腕立て伏せを50回・腹筋を50回・背筋を50回。終わったら邸の庭を走り回れ~」

「ウィル…騎士の訓練ってこんなにキツイの?」

「イヤ?それぞれこの2倍だし、走るのは騎士団のグラウンド20周」

 私はそれを聞いて、騎士になってしばらくは帰ってからお風呂にも入らないで寝台に直行していたウィルの真意がわかった。

「騎士って大変なのね…」

「コレを乗り越えたんだなと思うと、父さんを尊敬できたよ…」



 数年後にはコンラッド様直々にアンジーと手合わせをするようになった。

「はははっ、アンジーはまだまだだな。目線とかでも次に何をしようとしているのかがわかったりするんだぞ?」

「え?そうなの?そんなの知らなかったよぉ。お父さん、ズルい~」

 これでもコンラッド様的には娘とのふれあいなのかな?それならいいや。


 アンジーは負けず嫌いみたいで、自分に何か誰にも負けない取柄がないとダメだと思ったみたいで街のサーカス団で軽業を特訓してるという話をアンジーの護衛さん(アンジーは自分に護衛がついていることを知らない…と思う)から聞いた。


「お父様、勝負よ!」

「アンジー、お前……いつの間に二刀流になったんだ?」

「いっつも負けてばかりだから悔しくって。私が盾を持っててもパワーでそこらの男に敵わないんだから意味ないでしょ?それなら、『攻めの女』よ!」

 アンジーはサーカス団で培った軽業師のようにひらりとかわしたりと、まぁちょこまかと動き、手に持つ2本の剣でじわじわと相手にダメージを与える。

「あー、参った。これ以上ダメージを受けたら、明日からの仕事に差し障る。アンジー、二刀流は家の中だけにしておくんだぞ。今は。騎士団に入団してもしばらくは封印だな。二刀流を解禁すればアンジーの良さが全開になるんだが、まぁ攻撃を避ける技術が素晴らしかったから、それだけでも価値はある」

「えへへっ、お父様に褒められた~」



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― 新着の感想 ―
ウィルとコンラッドの親子喧嘩か!理由は、ウィルが騎士団を辞めると言い出した事。ウィルは、元々、体力作りが目的だったし、本当は魔法の研究がやりたかったんだね。古代の失われた魔術の復活の研究か。所謂、ロス…
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