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9月。
暑いから、と言い訳して過ごしていたら夏休みが終わっていた。
課題は始業式の朝に終わって、オープンキャンパスとかも行かなくて。
結構やばめ。
気付けば9月中旬だし。
「せーちゃん、9月って夏なの?何なの?」
「ずっと暑いね、いつまで暑いんだか。」
今日の気温は32度予想。
いつもいつも暑くて嫌になる。
日傘を差しているとるいとの距離ができてしまうのも嫌。
授業を聞き流しながら、放課後の予定を立てる。
涼しい場所で遊ぶか家で遊ぶか…
なにをしよう。
昼休みになり、るいとお弁当を食べる。
「今日なにする?」
「あー、ごめん。せーちゃん言いたいことがあるんだけど。」
「?」
「実はね…」
それはもう聞きたくないものだった。
時が止まった気がした。
「来月引っ越すんだよね。」
「は?え?どういうこと?」
「ごめんね。言うの遅くなっちゃった。」
ずっと一緒に居てきたるいが隣から居なくなる。
会えなくなる。
そんなの無理だ。
「私もね、ずっと一緒に居たいよ。でも無理なんだよ。」
「るい、嫌だよ。そんなの…。」
「泣かないでよせーちゃん。私だって嫌なんだから。」
人気の少ない階段は泣き声がよく響く。
それがより一層悲しみを与えてくる。
「ね、せーちゃん。一緒にどこか行こうか。」
今ある分のお金で旅行をして一緒に人生終了コース。
馬鹿らしい考えだが今の私達にはこれしか思い浮かばなかった。
ずっと一緒に居たいから一緒に終える。
適当な理由をつけて早退して、家を出た。




