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1年生の入学式を前に、退部届を出しに行く僕たち。
1年生が入部してきたらバタバタするから今のうち。
退部届を書き、職員室に行く。
「失礼します。2年2組の黒木と末永です。」
顧問のもとに退部届を出しに行く。
「本当にやめていいのか?」
「まぁ、はい。」
「そうか。部活辞めるなら勉強頑張れよ。後悔しても知らないぞ。」
退部届は受理された。
本当にやめてよかったのかとも思うが、まぁいいだろう。
「部活やめたらなんかすっきりした。」
「そうだね。でも勉強頑張らなかったら先生になんか言われそう。」
毎日、部活のある時間は学校か家で勉強をすることにした。
これなら親も先生もなにも言わないだろう。
るいは嫌そうだったが…
赤点回避のためにもやると決めた。
「はー、授業終わったのに学校で勉強だなんて面倒くさいよー」
「そう言わずにさ。」
僕たちは頭悪い系カップルなので少しでも頭を良くしたいものだ。
教科書を広げ、今日の復習をする。
「なんかさ、二人だけだと静かだね。」
「部活の音教室で聞くのなんかいいな。青春って感じ。」
吹奏楽、テニスの音。声が響くグラウンド。
窓から見下ろす景色は青春そのものな気がする。
ふとるいを見ると、長いまつ毛とくりくりした目がとても綺麗だった。
あぁ、こんなに美人だったかな。
「せーちゃん、見て。」
話しかけられたと同時に顔を上げた。
すると目の前には…
「姫、そのような格好はちょっと…」
「教室に二人きり、このシチュエーションはやっぱりこうじゃない?」
でっかい胸が迫ってくる。理性保てないって、無理だって。
むにゅん、と柔らかいなにかが手に触れた。
「うわー!ごめん、触っちゃった!」
「慌てなくていいのに。もっと触ってほしいなー…?」
キーンコーンカーンコーン。
完全下校のチャイムが鳴った。
「なんだ、もうこんな時間。早く帰ろっか。」
「胸しまって、はしたない。」
4月の夕方は薄暗い。
それでも日は長くなってきた。
帰り道はいつもより緊張した。
感触を忘れられないよ、るい。
どうしてこうなったんだろう。
ポンコツになりそうだ。




