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1月1日
初詣から帰ってきたのは夜中の3時になってしまった。
風呂も入らずに爆睡した。
時計を見れば12時過ぎ。
もう昼じゃん。
「おはよ。」
「やっと起きたの?るいちゃんもうすぐ来るって。」
「わー、風呂入ってくる。」
脱衣所寒!
風呂場寒!
寒いよー
シャワーだけじゃ寒いよー
急いであがって温かい服を着込む。
はぁ寒かった。
死ぬかと思った。
るいが来る前に髪を乾かさないと。
10分後、るいとるいのお母さんがやってきた。
ギリギリ身支度が終わった。
よかった。
「明けましておめでとうございます。」
親同士は礼儀正しく挨拶をする。
それに比べて僕たちはというと。
「あけおめ!って初詣で言ったわ。」
「何回言ってもいいでしょ。減るもんじゃないし。」
「それもそうか。」
「せーちゃんのお母さんのおせち好きなんだー!今年も食べれるの嬉しい。」
「そう言ってもらえると嬉しいわ。作ったかいがある。」
「毎年ごめんなさいね、ご馳走頂いてしまって。あ、これ大吟醸です。」
「あら、美味しそうな大吟醸。ありがとうございます〜」
「僕たちはジュース飲んでいいよね?」
「お茶にしときなさい。ジュースとおせちは合わないわ。」
いつも大人ばっかりお酒飲んでテンション上がるんだから。
おせち美味しいからいいんだけど。
「いただきます!」
筑前煮、煮しめ、松前漬け。黒豆、海老、栗きんとん。
紅白なますに伊達巻。
おせち、美味しい。
すごく美味しい。
結局和食が一番美味しいんだよなー
「天才的に美味しい。」
「るいちゃんは美味しそうに食べてくれるわね。」
「さすがですね。美味しいからお酒も進む。」
「黒豆好き。」
一時間もすると大人は酔っ払い始めた。
絡まれると面倒なので一旦退散する。
「お店で売ってるおせちってあんまり好きじゃないんだけど、せーちゃんちのおせち美味しいから好き。」
「手作りが結局美味しいのかもね。和食美味しい。」
「さてと、なにする?凧揚げ?コマ回し?羽子板?」
「今どきそんなことやるのね。」
「持ってきてるよ。」
「じゃあやるか。」
庭に出て羽子板。
墨もバッチリ用意した。
「落としたら筆で落書きね!」
「最悪だー」
最初に落としたのは僕。
あーあ。
「落書き一発目。」
「くすぐったい。」
次に落としたのはるい。
「オーマイガー!」
「かわいい顔が墨まみれだ。」
打ち合い続けること30分。
身体も温まり、顔は泥パックでもしてるのかと思うくらいに墨まみれ。
「お母さん見てー!」
「おばけ。」
「おばけ…反応それだけか。」
「るい、風呂行くよ。早く洗わないと。」
湯船にお湯を溜めながらシャワーを浴びる。
顔はとりあえず洗顔しよう。
「真っ黒。おもろすぎて無理。」
「何回洗っても黒いんだけど。」
洗面器にお湯を入れて顔を突っ込む。
「溺れる、無理。」
「取れないねー」
溜まったお風呂に浸かりながら水蒸気で墨を落とす作戦。
「もみもみしていい?」
「死にたいですか?」
「ごめんなさいね?」
くだらなすぎる話をして、もう一度顔を洗う。
「大分落ちたんじゃない?」
「長い道のりだった。」
次にやるときは水性ペンで落書きしたほうが良さそうだ。
羽子板の次は外に行って凧揚げ。
「上がらないー!」
「僕も無理ー!」
凧揚げ下手すぎてダメだった。
仕方がないのでコマを回して遊びましょう。
「せーちゃん相変わらず下手だね。」
「そうなんだよ。」
「私は相変わらず上手だな。」
「よかったね。」
家に帰ると酔っ払いが何かを話している。
「ただいま。」
「芹那、るいちゃんおかえり。今ね、結婚の話してたの。」
「ケッコン?」」
「芹那ちゃんもるいも高校生だしね。あと2年もすれば結婚できるじゃない?今の日本だと同性婚はできないから海外行って結婚してもいいんじゃないかなって。」
結婚?海外?考えてもいなかった。
「るい、突然言われても困るよね?」
「私はいいと思うけど。いつかは結婚したいしね。」
「えぇ…」
新年早々、結婚の話。
今すぐにっていうわけではないからゆっくり考えよう。
結婚かー、できるならしたいかもな。




