14
今日は二人でプチお祭りを開催する。
屋台風のとうもろこし、焼きそば、かき氷を作る予定。
あとは手持ち花火を買ってきた。
僕の家でやることになっているから姫が来るのを待つ。
迎えに行けよって?そうだよねごめんなさい。
ピンポーン
インターホンが鳴った。
るいの登場だ。
「いらっしゃいませ。迎えに行けなくてごめんね。」
「いいよー、その足じゃ無理よ。」
実は足首を捻って放置からの腫れて動かすことができなくなりました。
ごめんなさい。部活も行けません。
「じゃあ準備しよっかー」
「そうだね。」
「せーちゃんち久しぶりだな。落ち着くー、実家だー」
「実家になる日ってくるのかな。」
「え?私たちずっと付き合ってんだからここ実家でしょ。」
「それもそうか。」
雑談は置いておいて、祭りの準備をする。
「料理できない。」
「僕も。」
ここで登場。母親!
「こうなるんだろうと思ってたわ。焼きそばととうもろこしね。二人は飾りつけでもしておきなさい。」
「おかーさんありがとぉー!」
「僕らお母さんいないと何もできないらしい。」
「困った二人ね…」
母親が料理をしてくれている間、値札を作ってみたり飾りを折ったりしてみる。
「焼きそば1000円くらいでいいかな?」
「ぼったくりすぎだね。300円くらいでいいでしょ。」
「それでも高いけどね。」
「久しぶりに輪飾り作った。案外かわいいものだね。」
「保育園とかで作ったっけ。懐かしい。」
談笑しながら作業するのは楽しい。
え?課題はって?やってないです。
「できたよー」
「美味しそうー!」
「すげー」
出来立ての料理はすごく美味しそうに見える。
いや、美味しいんだが。
庭に出て、折りたたみの椅子を置いてテーブルを置く。
日常の中にある非日常がなんとも言えないくらい楽しい。
「焼きそば300円!とうもろこし500円!いかかですかー」
「どれも高いですねお姉さん。」
「は?買えよ。」
「口悪。」
幼い頃使っていたおもちゃのお金で支払いをする。
「まいど!」
「いただきまーす。」
「待て、私も食べる。」
「「いただきます。」」
焼きそばは少し濃い目のソース。紅生姜。美味しい。
永遠に食べていられそうだ。
キャベツのシャキシャキ感もよい。
焼きとうもろこしはバター醤油で焼かれている。
これまた美味しい。
「二人とも、チャッカマンで悪いけど焼きマシュマロしたら?」
「え!めっちゃいい!あざす!」
「いいねー」
マシュマロを竹串に刺し、チャッカマンで炙る。
焦げ目ができたら食べる。
「うま!」
「甘くて美味しいね。」
焦げ目の苦さとマシュマロの甘さ。
すごく美味しい。
「ラーメン食べる人?」
「「はーい!」」
美味しいものは大歓迎。
え?太るって?
大丈夫。美味しいから。
丼にラーメンを入れ、卵を落とす。
お湯を注いで、丼に蓋をする。
3分待てば…
「美味しいー!」
「五臓六腑に染み渡る。」
「冷えたラムネとかき氷の登場でーす。」
「かき氷機!かわいい!」
「ただのペンギンじゃん。」
「それがかわいいの!」
ラムネを飲みながら氷を削っていく。
雪のように降り積もっていく氷は綺麗だ。
「このラムネって瓶だよね。最近ペットしか見ないからなんか新鮮。」
「確かに。瓶ってあんまり見ないな。」
削った氷にかき氷シロップをかける。
僕はブルーハワイ。るいはレモンを。
「冷たくて美味しい。」
「夏って感じ。」
「そりゃ夏だからね。」
腹12分目くらいまで食べた気がする。
もうお腹いっぱいだ。
「花火しよ!」
「持ってくるから待ってて。」
ろうそくに火をつけ、花火に着火する。
「おー!噴射してるみたい。」
「吹き出し花火いいね。楽しい。」
「空中で燃えてますよ!」
「るい、危ないから振り回さないで…」
「ハートを描いてみます!綺麗ですねー」
吹き出し花火のシャワーのような音が少し苦手だ。
怖いわけではないけど。
終盤になり、線香花火を取り出す。
「先に火の玉落ちたら罰ゲームね。」
「分かった。」
パチパチと音を鳴らしながら燃える線香花火。
見ていると儚くて涙が出そうだ。
「あ、落ちちゃった。」
「じゃあるいが罰ゲームだ。」
「なんでせーちゃん泣いてるの?涙もろいねあんた。」
「うるさいな。」
「罰ゲームってなにやるの?」
「せーちゃんにしてもらいたかったのはプロポーズなんだけどねー、負けちゃったからな。」
「え?」
結局、罰ゲームは僕がるいをお姫様抱っこするに決定した。
入学式以来のお姫様抱っこだ。
「やっぱり恥ずかしい。」
「るい軽いね。あんなに食べてるのに。」
「姫だからね。」
楽しい時間ももう終わり。
時間の流れは早いものだ。
「じゃあせーちゃんまたね。」
「気を付けて帰るんだよ。」
「大丈夫だよ、お母さん迎えに来てくれてるんだから。」
「じゃあ、またね。」
るいが居なくなった家は静かで寂しい。
早く会いたいな。




