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グルドニア王国 508年 王都奪還

ダイジェストです。

グルドニア王国


アーモンドの祖先である初代国王アートレイ・グルドニアは「国崩し」の厄災と同じと恐れられていた。右腕を振れば空が裂け、左腕を振れば海が割れ、右足を出せば大地が割れ、左足を出せば草木を枯らし、天を仰げば雷が鳴き、その視線は生命を奪う、覇道を極めし大陸の覇者であった。


一説には神々が地上に怒りを伝えにやってきた「代行者」、「神々の落とし子」、「神の血筋」等、記録や言い伝えに誇張はあるだろうが、恐らく魔術や人種にはおよそ不可能であり、奇跡と言われる「魔法」を使うことが出来たのではないかと推察される。



2


五百年ほど前に賢き竜ライドレーを倒した聖なる騎士アートレイ・グルドニアによって建国された。王家を中心として王より爵位を賜った各地の貴族によって統治されている。


その中でも王都を中心として影響力のある六大貴族がいる。


神殿を統括するダイヤモンド公爵家。


迷宮を統括するジルコニア公爵家。


軍部を統括するルビー公爵家。


財務を統括するサファイヤ公爵家。


農業や食の生産を統括するエメラルド公爵家。


国内外の流通を統括するムーンストーン公爵家。


 この六大貴族家は、アートレイが国を興す際に多大な貢献をしたといわれている。その名残ではないが、世襲制であるグルドニア王国では王の妃として第一妃に六大貴族から嫁ぐことが習わしとなっている。


勿論、強制ではないが各世代の王の中には、他の貴族家から妃を娶った例もある。悪しき風習といえばそうではあるが、「尊き血には尊き血を」。


過去の建国の際に、六家の当主にアートレイが下賜した宝石にも似た輝きを宿した魔石がそれぞれの家名となっており、各家の秘宝としてに保管されている。王家を六家の絆はそれは、深く堅い物であった。


 しかし、昨今の状況は変わってきている。


グルドニア王国歴508年に第三王子バターによるクーデターがあった。後押しをしたのは、バターの母親の実家であるルビー公爵家が後ろ盾となった。裏では、ムーンストーン公爵家が糸を引いていたとされている。


 クーデターによる結果は散々なものだった。


 王太子であった第一王子フィナンシェ、第二王子ゼリー、第四王子マーガリンが死亡した。また、床に臥せっていた賢王デニッシュが崩御した。それを機にバターは他国との戦争を宣言し強きグルドニアを掲げた。重い腰を上げて、現王である第六王子であったピーナッツがアーモンドと西のズーイ伯爵、東のウェンリーゼ伯爵の協力を経て王都を奪還した。


 これは、グルドニア王国の長い歴史のなかでも血で血を洗う粛清であり、ワガママだった。


 一番王位に遠かった迷宮狂いの道楽息子のピーナッツが王になるなど誰が予想していたであろう。そして、活躍したピーナッツの三男で王族の最底辺だったアーモンドは、民の間では次代の王に最も近しき存在である。


 ピーナッツの妻レートは実家が西のズーイ伯爵家を生家とする。まだ公ではないが、東のウェンリーゼ家の姫君であるラザアはアーモンドの子を身籠っている。


 さらにいえば、ピーナッツの母の実家は剣術でその名を馳せたオリア伯爵家で現宰相バーゲンの実家である。伯爵三家が勢いに乗っている。それを、六家が面白く思わないのは必然であった。


 正常なる体制に戻さなければならない。次代の王の正妃は公爵たる六家が相応しい。なぜならそれは、建国王アートレイと交わした「美しき宝石の誓い」なのだから……



過去のエピソードから抜粋したダイジェストです。本編に戻りたいので、「王都奪還」はそのうち気が向いたら書きます。

「王都奪還」だけで、二十話位いっちゃいそうなので 笑

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