馬車引きの唄
会話パートないんで短めです
ちょっと小休憩と練習も兼ねて
時系列分かりずらくてすみません。
オッサン達が部屋を出るところから始まります。
唄が聴こえる。
泣き声と共に、悲しくも明るいよく母が歌ってくれた。ラザアにとっての子守唄だ。
ウェンリーゼ領の皆が知っている【馬車引きの唄】、【復興】の唄だ。
ラザアは唄う
年老いた騎士達のために唄う
愛する人のために唄う
家族のために唄う
ウェンリーゼの海に大地に空に山に唄う
何度でも何度でも唄う
1
「五十年前の借りを返しにいくぞ」
「「「おう」」」
ラザアはひたすらに唄う
扉が開き、年老いた騎士達は歩みを進める。
 
誰かが唄につられて唄う
誰かにつられて、誰かが唄う
皆唄いながら、ラザアの泣き顔を見て唄う
その涙が、ウェンリーゼの大地に落ちないように唄う
誰がために唄う
眼鏡は、ラザアにかつての想い人を重ね瞬きをしながら唄う。
父は唄わない、二つの杖に支えられながらラザアのお腹を優しく撫で心で唄う
とても優しい唄うだと神々も唄う
娘は皆に行かないで欲しいと唄う
皆は唄う、下手くそな唄を唄う
笑顔で唄う
ユーズレスは唄えない、機械人形は唄えない
ユーズレスは、皆の目一杯の唄を記録する
2
海と水の女神様
木々と草に喜びを
土と大地に喜びを
空と山に喜びを
我らは足を汚します
我らは手を汚します
故郷のために汗を流し
友のために涙を流し
それでも愛するこの故郷
遥か彼方は愛しき空か
遥か彼方は美しき山か
遥か彼方は清き大地か
遥か彼方は強き木々か
海と水との女神様
母なるあなたのお恵みを
愛しき子らにお恵みを
子らは母の愛を彼方まで
【馬車引きの唄】
3
神界では、海と水の女神が号泣している。
今の彼女達に海王神をなだめる術はない。
二人の女神は、秘宝の全てをはたいたて
〖救う権利〗を手に入れた
神界の秩序は辛うじて崩れなかった。
武神は少し二人を見直した。
読んで頂きありがとうございます。
女性の唄はいいものですね
 




