一番の宝物をあげよう
三話と四話の間に巻き戻しさせて下さい。
お世話になっている原案者様の地域がらの特産をプレゼンさせて頂きます。
別にリベートとかは貰ってないんだから、そもそも読者いないしね笑
『巻き戻しを開始します』
ユーズレスは、インヘリットに急かされ軍会議録を巻き戻し再生する。
1
「ウェンリーゼの最大戦力であります、アーモンド大佐は領民の避難を最優先にお願い致します。
作戦の一部の報告を終了します」
ハイケンは幾分無常に話す。
「なっ!何故私が」
「ハイケン」
ボールマンは、アーモンドと顔を合わせない。
「今回の第一優先事項は、ウェンリーゼ領民の安全です。そこに最高戦力でありますアーモンド大佐、参謀であり状況判断能力の高いリーセルス少尉のお二人を中心に編成させて頂きました。何より、現状で王族でありますアーモンド様の危険度が上がるのは、ウェンリーゼにとって利はございません。
作戦と推論の一部の報告を終了します」
ハイケンの報告は実に機械的で無常である。
「閣下たちは、私のことを余所者と信用されていないのですか」
アーモンドは口と目で訴える。
武神は面白くなってきた。
「そうではない婿殿。いや、アーモンド大佐自分の所属を覚えているな」
「……………」
「ふぅ、リーセルス少尉」
「ハッ!恐れながら、アーモンド大佐は海軍に所属しながらも、ウェンリーゼ領陸軍【災害対策部局長】を兼任しております」
リーセルスは、主に降りかかる火の粉を少しでも減らしたい。
「だそうだが、アーモンド大佐。
大佐が今しなければならないことは、自身の職務をまっとうすることではないか」
「へっ!ちげえねぇぜ〖銀狼〗殿よう!」
アルパインとても悪い顔をしている。
「狼は海では溺れてしまいます、犬かきされても困りますしね」
ランベルトはさらに悪い顔をしている。
2
「ハイケン」
「了解致しました。既にウェンリーゼ領全域にクリムゾンレッドを発令しております。
厄災魔法《地震》発生後に、沿岸区は高台に避難し最終的には、7キロ地点のウェンリーゼ領主邸【地下シェルター】に収容予定です。現在のところ、四割程度が避難を完了しております。
年間三回の定期的【避難訓練】の成果であると、避難状況の一部の報告を終了します」
ハイケンは優秀だ。
「アルパイン少将、北部の報告を」
「おう!北部地域は、そのまま西部地域と合流して手はず通り、王都のウェンリーゼ邸を目指す予定だ。西部組は、王都からの出稼ぎ組も多いからな、言われた通り部下達が【災害セット】を一人ずつ配ってる」
アルパインは、仕事には意外に繊細だ。優秀である。
「ランベルト中将、南部の報告を」
「ハッ!南部住民は、一部を船での予定でしたが、【マニュアル】に沿ってこちらも陸路を使って巨帝ボンド様の人工ダンジョン都市へ予定しております。今まで人工魔石を流していた解もあって、ダンジョン都市からも避難誘導要請に受諾の返事がありました」
「好きなだけ魔石を持っていくように」
ランベルトは常に先の先を読む男だ。ランベルトは特に優秀だ。
「災害局長」
アーモンドはたじろぐ。
「シェルターへの避難誘導よろしくおねがいする」
アーモンドはぐうの音も出ない。
「リーセルス少尉」
「備蓄としては、【携帯固形栄養クッキー】、【水耕栽培】の果物や野菜、【もやし】等は用意しており、シェルターの【空調換気】、【冷暖房】についても倉庫の人工魔石を使用すれば、ほぼ自給自足でも春の間は問題ないかという計算であります」
リーセルスもランベルトに負けずに特に優秀だ。
アーモンドは肩身がいっそう狭い。
「おうよ!【もやし】と【イチゴ】は、ベンの考案した特殊温室で安定供給が可能だ」
モブも優秀だ。
「スイの魚たちも地下の生け簀にて、昨年からやっと【養殖】に成功しましたからね。まぁ、捌くのは技術が入りますが味は保証しますよ」
モブその二も優秀だ。
「まぁ、アルパイン伯父様私の好きな【イチゴ】もあるのね」
「おう!お嬢の好きな甘い【章姫】もあるぜ」
「まぁ、お腹の坊やも喜ぶわ」
「赤ん坊にも【葉酸】だか何だかんだと、【カリウム】も豊富だから避難中の浮腫にも最高だぜ」
アルパイン伯父様は、ラザアに対しても優秀だ。
「もやしに関しては水と、暗さがあれば育ちやすい【緑豆】を用意してあります。太くて見た目もいいので領民受けもいいでしょう」
一家に一台ランベルト。
「これが本当の【水商売】ってか」
「やだぁ、伯父様ッたら」
「「「ハハハハハハッ」」」
アーモンドだけが、苦笑いすら出来なかった。どこにいっても、婿養子はツラい。
3
「それでは、各自任務を遂行するように、リーセルス少尉はくれぐれもアーモンド大佐の補佐をよろしくお願いする」
「了解致しました。元帥閣下」
リーセルスは安堵している。リーセルスは、自身の分析力で今回の作戦が分か悪いのは、重々承知だ。
元帥閣下のこの命令の意図は、アーモンド夫妻の王都までの護衛と説得を意味する。お腹の子をダシにしようが、手段を選ぶなと元帥閣下の視線は老獪だ。
アーモンドは、正論過ぎて何も言い返せない。
ボールマンはため息をついた。
「ハイケン」
「了解致しました。今回の攻撃対象である海王神シーランドを迎えうつには、海での戦闘は避けて通れません。海での戦闘は、熟練の技術が必要でありその条件をアーモンド大佐以下、将校様方は満たしておりません。連携の取れない集団の作戦成功率は、大幅に減少すると推論の一部の報告を終了します」
アーモンドはいよいよ救えない。
武神も気の毒そうだ。
しかし…
「婿殿」
ボールマンは
「ウェンリーゼ領の民を」
満面の笑みで
「家族を頼む」
アーモンドに未来を託した。
『…………』
ボールマンがアーモンドを見ながらユーズレスに何かいいたそうにしていたことを…
ユーズレス意外は誰も知らない。
一番の宝物ってそれぞれですよね。
オッサンパート一段落したのでそろそろ、ラザアとか書こうかな。
一応、特産の一部は取材させて頂きました。
趣味で書いてるので、クレーム等はご容赦を
 




