〖猿芝居〗と12人の裏切り者
読んでいただきありがとうございます。
【麻薬】というキーワードがあります。
ご気分害する場合は、とばして頂いても大丈夫です。
後から、加筆する予定です。
1
「それにしてもお前さんはたいした【役者】だぜ」
アルパインは上機嫌に地元の酒を飲む。
「馬のションベンも悪かねぇが、やっぱいつも飲んでる酒がうめぇなぁ」
アルパインはひどく酔っているようだ。
「そういえば、こんなこともあろうかと、新作の【郷土料理】があるんですよ」
ランベルトは軍服の懐から、小さな丸い瓶を取り出す。
「おお、また変なもん作りやがったな」
「今回は少しは食べれるものなんだろうな」
ボールマンは顔をしかめる。
「今回は私の人生で最高傑作です。レインボーフィッシュの肝を、ホワイトマンドラゴラを薄く切り干したものに、酒と秘伝調味料をあわせて作った、まさに最後の晩餐に相応しい一品です」
ランベルトは誇らしげだ。
先ほどまでいた神々は逃げ出した。他の八人の老人たちは酔って寝たふりをしている。
「お前さぁ、料理の腕はいいんだからもうちょっと普通のな!な!わかるだろう」
「失われし至高一品を追い求め、お嬢様に一度でいいから「美味しいですわ」といってもらうこれが今世の夢です」
「ラン、私は先ほどの乾杯で疲れてしまった悪いが、その至高の一品はすべてアルに譲ろうとしよう」
「てめぇ!きたねぇぞ」
「さっ!どうぞ、遠慮せずに」
ランベルトはアルパインに期待の眼差しを送る。
「かぁーあっ!どうにでなれ」
アルパインはウェンリーゼ領、いやグリドニア王国を代表して、すべての騎士たちに騎士道精神を見せた。アルパインは騎士の鏡である。
皆が固唾を飲む。
「………まあまあじゃねえか」
先ほど逃げ出した武神はアルパインを称える。
「まあまあですか、これではお嬢にお出し出来ませんね」
ランベルトは肩を落とした。 「お前なぁ、こんなもん食わしたら、それこそ胎教に悪いわ」
「安心しろ、ラン!ラザアのまあまあは、私に似て最高の褒め言葉だ」
ボールマンは慰めた。
「なるほど、それでは既に私の夢は叶っていたのですね。主神よ感謝致します」
「夢っていやぁなぁ、お嬢の頭に刺さってる花はいつも俺のかみさんが届けてるんだぜ、今日のラッーナの花なんて蒼くて、お嬢のキラキラ光ってるブロンドの髪にピッタリ似合っていただろう」
「まだ、花を作っていたのか?」
ボールマンは意外そうに言った。
「売ってるわけじゃねぇがな。まったくよう、花屋の息子が今じゃあ貴族様の仲間入りだ!まったく出世したもんだぜ。なんだ貴族の務めってやつか」
女神たちはずいぶん油っぽい、務めだと笑う。
「私も出来れば、半生を【郷土料理】に捧げたかったのですが」
「ボール、そういやぁお前さん養子だったよなぁ、どうせ最後になるかもしれねぇ、一体何処のお偉いお貴族様の息子だったんだ」
「私も実は前々から興味がありました」
二人は酒のせいもあって好奇心を抑えきれていない。
「あぁ、皆に言っていなかったようだな、私は捨て子だったんだ。正確にはユーズが拾ってきたんだがな」
2
「なっ!お前さん平民だったのか?」
「………」
ラインベルトは、放心状態だ。
「どこで、拾われたかは覚えてはいないがな、ここに来るまではずっとユーズと旅をしていたんだ。西は、当時の旧獣人連合国にも数ヶ月だが住んでいたこともある」
ボールマンは酒を一口含み喉を潤した。
「そんな一言も…」
「公爵家当主代行が何処の馬の骨かも分からんじゃあ、外聞も悪いだろう。何せ、当時は魔石炉の利権を求めてエミリアに大量縁談が来ていたからな。結局は養子である私の素性を、東部貴族の遺児とし身内で固めるのが領地のためだったのだ。だから、お前たち二人も折れててくれたのだろう」
ボールマンは、すまそうに二人を見た。
「なっ!そんなじゃねぇよ」
「はて? 私は今でも、エミリアお嬢様を海よりも深く愛していますが」
いつものことなので、二人はなにも言わない。
「二人、いや、皆にはすまなかったと思っているよ」
「バカ言うなよ。誰よりもこのウェンリーゼのために尽くしてくれたのはボール、お前とユーズだ。二人がいなかったら俺たちは、いまだに毒の大地で育ちもしない作物を育ててた。エミリアお嬢様だって兄のような慕っていたお前さんといられて、誰よりも幸せだったさ」
「私は、【戸籍】上の紙切れを書く権利をプレゼントしただけで、ここはいまでもエミリアお嬢様と繋がっています。例え一方的であろうとも」
アルパインは【ドヤ顔】が止まらない。部屋に戻ってきた女神たちは【ドン引き】している。
「まぁ、いまとなっちゃあボールが何処の誰かなんて対して関係ねぇがな」
「ユーズとの旅は気になりますがね」
「先代には悪いが、私にとってユーズは父であり母であるからな」
「……」
「いまなら、仲直り出来るんではないでしょうか」
ランベルトは、眼鏡の位置を直す。
「私は【禁書目録】を破りし罪人だ、ユーズは私を許すことは………ないだろう」
「誰もお前さんを攻めやぁしねえよ」
「あなたは、あの時泣きながらボールの顔を殴ってましたけど…しかもエミリアお嬢様の前で」
「いやー、ついな!つい!もう【時効】【時効】」
アルパインの罪は失効しているようだ。
「どうやら私も感傷的になっているようだ。そうだな。心残りついでに言うなら、隠し子がいることくらいか」
「「ぶっ!」」
二人は酒を勢いよく吐いた。
「一度は会ってみたかったが、もう会えそうにはないな」
「………」
アルパインは空いた口が塞がらない。
「もう驚くことは、ないと思いましたが」
「オヒョー…うはして、、るか?」
アルパインは恐る恐るボールマンを見つめる。アルパインはもはや呂律が回らない。アルパインの瞼が重くなる。
いつの間にか、女神の目は好奇心に満ちている。
「話したことは一度もない。エミリアは知っているたがな。身重の時に、私の【セーフハウス】で信頼出来る知人に預けた。定期的に援助はしているが…言い訳に聞こえるかも知れないが当時、ウェンリーゼ領は四面楚歌だ。誰が敵で誰が味方か分からなかった。情報というのは、武力や魔法以上に力がある。当主代行になってから身をもって思い知らされたよ。誰に担ぎ上げられ、政治の道具として中央のハイエナどもにウェンリーゼを二つに割るわけにはいかなかった。いや、今となっては全て言い訳だが」
ボールマンは杯の酒を飲み干した。
「…………………………………」
アルパインは酔いと驚きのあまりに寝てしまった。
機械人形ハイケンは、後にこの記録を削除された。
この会話を記憶しているのは、十三人と神々しかいない。
やっぱり文字数は2000~3000位がベストですかね。
伏線張り巡らせ過ぎて多分回収できないですね(笑)
オッサンの話しあと一話続きます。
これって面白いのかな?
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