またも、コビンと風呂話?
「リューイ様、ありがとうございます。
私はルビー様のご家族の方達には恩があります。
しかし、リューイ様達は何のつながりもない、なのに助けて頂くとは!
このコビン、一生をかけて恩を返させて頂きます!」
もともとコビンは森の中に捨てられていたそうだ。
義理がたいコボルト族が自分達の子供を捨てたとは考えられない、何かしら理由があったのだろう。
そこにルビー達家族が現れて、コビンを見つけ、引き取ったと言う。
「もちろん私は物心ついた時からルビー様とシトリン様のお世話をさせて頂きました。
ご両親はそんなことはしなくていいとおっしゃいましたが、コボルト族の血がそうさせずに要られませんでした…。
お二人は私の宝なのです。
そんな宝を救って頂き、またもう一人を救おうとして頂くリューイ様のお気持ちに感謝が絶えません、ありがとうございます…」
コビンが泣きながら話す。僕は選択が間違ってなかったことに少し気持ちが明るくなった!
コビンって、風呂だとよく話すよね…。
翌日、「何か、世界が変わった…」とほざいてるポチをほっといて、僕達は五階層に進んだ。
五階層には、六階層に続く階段があり、その前に球体が浮かんでいた。
近づくと球体がゆっくりと目を開いた。
「目を閉じて下さい!」
コビンが叫ぶが、遅かった……。
目の前には某レジャーランド。
両親がいて、妹が呼んでいる。
「お兄ちゃん、はやく、はやく!」
水のアトラクションでずぶ濡れになり、ブロックで出来た街並みを楽しむ。
土産売り場を散策して、次のアトラクションに向かおうとすると、足が地面にくっついて動かない!
「お兄ちゃん、はやく来ないと置いてくよ!」
両親と妹がどんどん離れていく。僕は足が動かない!
「待ってくれ、足が動かないんだ!なんでだ」
そう言うと、大きな揺れを感じた、地震だ!
僕はしゃがみ込み、揺れが収まるのを待った。
地震が収まり顔を上げると、遠くでしゃがみ込んでいる両親達が見えた。
立ち上がって歩いていく両親達の先にアレが見える!
「父さん!母さん!真穂っ!逃げろ、津波が来る!逃げてくれぇっ!」
声が聞こえたのか、両親達が僕の方を振り向く、忘れられないあの笑顔だ!
その瞬間、両親達を津波が飲み込んでしまう!それでも僕の足は動かない…。
次の瞬間、僕は瓦礫の中に立っていた、アトラクションの残骸が横たわっている。
「探さなくては…」
瓦礫の中を両親達を探して回る。あれだけの地震と津波の割には、周囲に生存者が多い、
「これなら助かっているかも…」
そう思って、探し回っていると、前方に小高い丘が見えた。
近づいて見ると、丘じゃない!津波に流されて出来た瓦礫と人の山だった…。
「グッ、オェッ…」
さっきまでと違い、明らかに死臭がただよう。吐き気が止まらない!
何故か近づいて調べなければならない気持ちに駆られる!
走って近づいて行くと…
「父さん…、母さん…、真穂…!なぜティーナまで…?」
瓦礫に押し潰されて、虚ろな表情を浮かべている両親達。
見上げると、同じように虚ろな表情を浮かべるティーナがそこにいた…。
「うわぁぁぁぁぁぁぁっ、あぁぁぁ…」
一人泣き叫んでいた僕だけがそこにいた…。




