再びヴァルちゃん?
僕は、全てを話した…。
今ある街の脅威と、シトリン救出まで時間が無い事を!
その上で、ルビーとコビンには黙っていてもらい、三人だけでシトリンを救出しに行くつもりだった事を…、もちろんティーナの変化は話していない…。
「という訳だ。たとえみんなが何を言おうとしても、連れて行く事は出来ない。
街にはリプトンさん達がいる。
指示を仰いで街を守って欲しい」
そう言うとルビーがみんなに話しかけた。
「すみませんです。私はリューイ様とコビンに頼るしか無いのです。妹が同じ境遇にあるのは分かっているのです。
巻き込んですみませんです…。
けど、シリーは私の唯一の家族。
塔の近くまででいいから連れて行って欲しいのです。
私の国が、皆様を苦しめた事は知っているのです。
シリーとまた会えたら、もし生きていたら、皆様の街の為に奴隷でも構いませんのです、罪を償う為に働きましょう……。
たった一人の妹なのです…。
少しだけでいいんです。
私は妹の為に出来る事をしたいのです…」
ルビーは泣きながらみんなに訴えた。
コビンも、自分は付いて行くと言い張っている…。
「僕は最後まで付き合うつもりだ。
しかし、あの塔までみんなを守りきる事は無理だろう。
着くまでに数ヶ月、途中に魔物がいる。
行く人が少ない方が早く着く…。
だからみんなは残って、街を守って欲しい」
そう言うと、ティーナが、
「私は行きます…。
あなたの事だから、私を心配してのことでしょう。
しかし、リューイ様が居なくなれば、私は生きる意味が無くなります。
あなたを守るなら、人の姿も捨てて構わない。
私はあなたと共に行きたいのです…」
心配していたことは見透かされていたようだ…。
ティーナがそう言うと、ポチも、
「そうですよ、あなたに拾われた命だ。
あなたが居なくなったら意味が無い…。
まぁ、さっさとシトリンさんを救出して帰りましょうよ」
ポチがポチらしく無い話をする。
ちょっと感動しかけたが、こっそりルビーの肩に手をかけている…。
まぁ、今回は許してやろう…。
「分かった、しかし相手の思惑が分からない。
街を留守にする時間が長いから、ティーナとポチだけを連れて行こう…。
何が起こるかわから無いし…。
ライア、エルーサ、ドルク、カイ、みんなはリプトンさん達の指示を守って街を守って欲しい」
そう言うと、不満そうだが与えられた命令の意味を理解したのだろう、渋々みんなが了解した。
「もう、勝手な事はしない。みんな休もう、出発は明日の朝にする」
そう言うとみんな別れて行った。
翌朝、皆の出迎えとともに東に向かって出発する準備を始めた。
すると、どこからか声が聞こえてくる…。
「キュイィー!」
空から大きな鳥の群れが飛んできた…。
その鳥の背中に見慣れた姿が見えた。
「ヴァルちゃん!」
そう、ヴァルちゃんが鳥の群れを連れてやってきた。
近づくと鳥がどんどん大きくなってくる。
あれって、でかくない?
そう、でかいのだ…。
ヴァルちゃんが小さいのか鳥たちがでかいのか遠くてよく見えなかった、近づくと明らかにでかいのはわかる。
そう、恐竜サイズだ…。
「キュイ」
どうやら、ヴァルちゃんは仲間を増やしたらしい…。
しかし、それが恐竜とは思わなかった!
「ヴァルちゃんお疲れ様。それは誰かな?」
ヴァルちゃんはドヤ顔しながら誇らしげに胸を逸した。
「キュイィ!」
ナビさん曰く、ヴァルちゃんはグリーンプレイと言う種族の大型鳥類を仲間にしたらしい…。
基本は臆病なんだが、従順でおとなしいらしいとの事だ…。
何とか話をつけたヴァルちゃんは一緒にここまで来たと言う話をした。
これで、空を飛べる手段が手に入った。シトリンの命を救う時間が稼げる。
グリーンプレイは、特長だけ簡単に言うと、地球のプテラノドンを小さくして(それでも全長3メートルくらいはある)、もふもふの毛を生やした生き物、と言えばイメージつくだろうか?
出で立ちといい、羽根の形はプテラノドンなのだが、愛嬌があって可愛い。
グリーンプレイの中の四羽を残して、ヴァルちゃんに遊撃隊と共に残りを連れて街へ帰ってもらった。
正確には三十羽近くいたのだが、まだ戦力としては心許ないらしく、街に戻って連携の練習だ。
ヴァルちゃんが居ないと橋渡しが出来ないので、連れて行ってもらう。
グリーンプレイ達は草食系らしいので、僕達にはぴったりだ!
養うことに困らないだろう…。




