嘘はバレますよね?
よろしくお願いします。
その夜は塔の攻略と、明日は撤退と言う事でとても盛り上がった。
ティーナ、ポチ、カイ、ライアやエルーサ、ドルクに遊撃隊の皆も久しぶりの再会と「これで一段落!」と言う気持ちからか、笑顔が溢れていた。
「これでいいんだよな…」
みんなの笑顔を見ながら僕は呟いた…。
隣にはティーナが寝ている…。
僕は起こさないように寝床を出て行き、テントの外に出る。
スッとコビンが近づいて来た。
「よろしいのですか?」
コビンが囁く…。
「いいんだよ、行こう!」
そう言って、僕はコビンと歩いて行った。
遊撃隊の陣地から見張りの目をかいくぐり、森の中に進む。
森を進んで行くと、二頭のレッドウルフと一人の少女が待っていた。
僕としては、今回の件はとても反省している。
ティーナ当てに手紙を残して、コビンとルビーと共にルビーの姉妹であるシトリン救出に向かうつもりだ…。
なぜみんなに黙って行くかと言うと、スタンビートは僕らの問題だった。
しかし、シトリンの問題は僕らには関係ない…。
それどころか、亜人族は竜人族達を迫害して来た一部だ!
それに巻き込んでいい訳が無い。
それに、ティーナを置いて行く事にも理由がある。
G群との戦いで、ティーナに変化があった…。
竜化ではなく、また違った変化らしい。
ライオネ渓谷の時にティーナに助けてもらった変化より、更に進化している。
それが良いのか悪いのか、判断出来ない。
ティーナは僕にとって、何より大切な人だ…。
しかし僕が行くと言えば、共に進むだろうと思う。
ただ、不安要素は残る…。
あの変化がティーナに害を及ぼさ無いと分かるまで、せめて自分でコントロールできるようになるまでは危険な事をさせたくない。
しかし、シトリンの救出には時間が無い。
ルビーの時でも衰弱していたのだ…。
僕はルビーが囚われていた塔と、ライオネ山脈の先に見える、シトリンが囚われているであろう塔の先端を見る。
シトリンを救出するにはもう時間が無い。
もう、救えるかもしれない命があるなら失いたく無い!
こんな気持ちは家族を失った時だけで充分だ!
同じ思いをルビーとコビンから聞いた…。
ルビーは王族だが、家族を失った。
残るのはルビーとシトリンだけだと…。
コビンは大恩あるルビーの家族を救うなら自分は行くと言う。
僕も目の前に救える命があるなら失いたく無い。
もちろん誰かれ構わない訳じゃない。
ルビーとコビンの大切な人だからだ。
仲間達の悲しむ顔は、僕には辛いから…。
だからルビーとコビンにはこっそり話をして、三人だけでシトリンの救出をする計画をした。
遠くにルビーとレッドウルフ、そして焚き火が見える。
僕とコビンは森の中をその焚き火に向かって歩いて行った。
すると、突然森の中から何かがでて来て、焚き火に照らされ影だけが見える…。
僕は渋い顔になった…。
影だけでも誰かは分かる…。
「リューイ様…」
ティーナだ、分からない訳が無い!
「ティーナ、どうしたんだ、こんな夜更け過ぎに。
ちょっと気になる事があるから、見回ってくるだけだから、宿舎で休んでいなさい…」
そう言ってティーナの横をすり抜けて行こうとすると、ティーナが腕を掴んだ。
ティーナの顔が焚き火に照らされている。
その顔は涙を浮かべていた…。
キッと顔を上げたティーナは、僕の頬を思い切り叩いた!
「リューイ様、一人で行かないでください!
あなたが居なくなったら、私は生きる意味がわからないっ!
みんなだってそうです!
あなたに助けられ、あなたを慕っている…。
あなたが居なくなったら、みんなが悲しむっ…。
あなたが決めた事は、いつも私達は心で受け止められる、それほど同じ思いになれましたのに…。
なのに、今回の事が本心じゃないことくらい分かります!
もっと、私達を信じてください!」
正直、頬よりも心が痛かった…。
僕なりに考え、みんなを巻き添えにしないため、みんなのことを考えたはずだった。
しかし、 エゴか! ティーナのこと、みんなのことを、俺が一番分かってなかったって事か…。
「リューイ様、みんなの為に生きてください。
私を含めて、みんなはあなたの事が一番大切なのです」
ティーナがそう言うと、森の中からわらわらとポチやカイ、種族のみんなが出てきた。
「もっとみんなの気持ちを分かってやれよ」
ポチのヤツが言った。ただ、ポチに言われた事が少しイラッとした。
まぁ、おかげで冷静になれたけどね!
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