表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/81

ティーナと一緒にピクニック?

よろしくお願い致します。



まぁ、その後は早めに話しを切り上げて、休みました。



ティーナは疲れていたのか、すぐに寝息が聞こえてきて、なかなか寝付けない僕は、自分の置かれた状況を整理。


「家族の天国行きを条件にこの世界に来たけど、いきなりの差別社会か。

けど、今の話しだと女神は毒を盛られた…、

けど神を殺す毒? あるのか…? 」


一介の種族に、神を殺す力なんてあるのか? 疑問が深まる…。


「それにティーナの話が正しいとすると竜人族は罪を受け入れて一方的に虐待されている。

つじつまが合わない…、

と言うか毒を盛るメリットが無いよね。」


メリットを考えると、同じ神様が候補に上がるんだけどなぁ…。


「もしかすると迷い人の言語学者さんもその当たりを調べているかもしれないし、そう考えると竜の村に行く価値はあるか…」


そう思うと、僕は大きなあくびをして眠ることにした。


もちろん周囲の警戒はナビさん任せだ。ナビさん様々だ。





翌朝、目が覚めるとティーナはすでに起きて火起こしをしていた。


「あ、お目覚めですか!おはようございます」


ティーナが笑顔で挨拶して来た。


「おはよう!」


そう答えて、起き上がった僕は朝食の準備を始めた。




朝食の準備と言ってもラピ○タパンだ。


このパンは不思議なことに、パンを食べた後に入っていた袋をバックに戻すと、いつの間にか元に戻っている。


最初に食べた時、袋をご丁寧に鞄にしまってたら再生していてビックリしたもんだ!


ゴミを捨てれない習慣が役に立った…。




ティーナに会うまではこれが生命線だった。


何故か袋の裏にフ○パンと書かれており、製造年月日はマジックで塗り潰されていた。


焚き火で湯を沸かし、それを呑んでお互い少し冷えた身体を温め、ラピ○タパンで腹を満たした。


ティーナは目を丸くしながら一心不乱にパンにかじりついている…。


そんなに美味しかったのだろうか?




「さて、今日はどうしようか?」


食べ終わったティーナに尋ねると、


「そうですね、村まではあと二日はかかると思いますので、食料を調達しつつ移動して夜営の場所を探すのが良いと思います」


そう言うティーナを改めて見た…。


気付かなかったが、服はところどころ破れている。



必死になってグリーズベアーから逃げていたのだろう。


持ち物も無く、服と言っても麻?白に近い灰色の一枚の布で作られていた…。


肩と脇にに穴を開けて麻のような紐で縫い合わせ、スソは膝くらいまでしかない、腰回りを太い布で縛るという簡素? 原始的な出で立ちだった…。



ソーイングセットらしきものもバックの中にあったので(僕は裁縫も出来ます、前の世界で苦労してました)、ティーナにところどころ破れている服を寄越すよう言った。



「脱げばよろしいのですね」


そう言うとティーナは止めるヒマを与えず、腰紐をほどき、服を脱いだ。


「いゃ、ちょ、」


僕は急いでティーナに毛布を被せたが、ティーナはキョトンとしていた…。




ティーナの透き通るような肌が見えた。


胸下までのシャツとカボチャ?パンツだったが14歳とは思えない自己主張した胸と均整のとれた身体が視界に飛び込んで来た。


僕は高二ですよ!思春期真っ盛りですよ、勘弁してください!眼福ですが…。



服を受け取り、破れた箇所を縫い合わせる。


縫いながら、朝日を浴びているティーナを見ると、ところどころ煤けていた。


「この世界には入浴の習慣はあるかな?」


そう言うとティーナは自分の身体を見渡し、恥ずかしながら答えた。


「お見苦しい姿を見せて申し訳ありません、入浴の習慣はあります。

竜人族も昔はあったらしいのですが、今では川での水浴びが普通です」


縫い上がった服をティーナに渡した。


「じゃあ、途中で水浴びもしよう。僕もこの世界に来て水浴びをしていない。けど、水温が上がってからだね」


そう言うとティーナは嬉しそうに言った。


「では、私がお背中流しますね!」


勘弁してください。理性吹き飛ばします!




その後、川を下り、日が真上にある頃に二人別々にに水浴びをした。


ティーナは「お背中流しましょうか?」と何度も聞いて来たが、丁重にお断りしました。理性が持たんわ!


水浴びを終えたティーナを見ると改めて綺麗だと思った。


薄紫の髪がしっとりと濡れており、その瞳は深いアメジスト。


肌は透き通る白さに、均整のとれたプロポーション…。


その身は世界から虐げられているのに、とても優しい。




ふと、竜人族とこの世界のことを考えた。そしてティーナに尋ねた。


「ねぇ、ティーナ。竜人族は今の境遇に不満や恨みは無いの?」


そう言うとティーナは寂しそうに呟いた。


「正直、思うところはあります。

けど、みんな責任を感じて、だからこそ明るく生きようとしてしています。

中には不満を燻らせている人達もいますが、みんな仲間が大好きですし、今は隠れて生きていますから、迫害も受けずにいます。

生活は厳しいと思いますが、みんなの優しさが一番だし、不満や恨みなんかよりそれが上回ります」


ポジティブやわ〜!竜人達なんで迫害受けとんねん、あっ、けど不満を持つグループもあるんだ。



「ティーナは優しい人達に囲まれているんだね」


そう言うとティーナは嬉しそうにはにかんだ。





その後、川を下って行った。途中、茂みからイノシシが飛び出してきた。オーガソードを構えるより早く、ティーナは一言確認を取る!


「ちょっと仕留めて来ますね!」


そう言うと、ティーナはイノシシに走り出し、その背に乗った。



左腕で首を抱え込むと、右手を突き出し首に突き刺し。あなたの右手は刃物ですか?


イノシシは倒れこんだ。


側に立つティーナは右手と右頬を鮮血に濡らし、得意げに微笑んだ。


はい、ティーナとは喧嘩しないようにしましょう。無手でガチやったら瞬殺です!


ティーナは唯一の持ち物のナイフでイノシシを解体し始めた。


昨日もそうだが、とても手慣れている…。



とは言え、ティーナが股がるほどだ、200キロオーバーのイノシシを30分ほどで皮、肉、内臓に取り分け、内臓は川で綺麗に洗っていた。


しかし200キロオーバーだ、持ち運びは厳しい。ここは4次元ポーチの出番か!




「ティーナ、話がある」


僕はティーナを呼ぶと、4次元ポーチの話をした、まぁ無制限収納は話しはいないが!



「アイテムバックをお持ちですのね!凄いですわ、村にも一個しか無いんですよ」



もう…、何も言わずとも頬に雨が伝ってきた。今も晴天だ…!



「…な、なのでイノシシは僕が収納しよう。血の匂いで魔物が寄ってきても困るしね」


「はい!よろしくお願いします!」


ティーナの笑顔が眩しかった。


もう全部バラしてもいいんじゃね?


どうせこの世界には一般的だよ…!




とりあえず、僕は自分を落ち着かせ、先を進んだ。


「ティーナ、さっきのはすごかったね。イノシシを一撃!」


そう言うとティーナは嬉しそうに、


「私なんてまだまだです。村のみんなは飛び乗る事も無く一撃ですから」


竜人族、戦闘能力ハンパないっす!何故こんな戦闘民族が優しい!



「ふ〜ん、竜人族はどんな能力があるの?」


そうティーナに聞くと、


「そうですね、身体能力向上と、竜だけに爪は強靭です。あと、竜化も出来ますけど、これは個人差がありますね。

かなり体力使いますけど、自分の身長くらいから、村の長なら10メートルくらいの竜になりますね。

竜になるとブレスは放てます。あと、竜人のままなら魔法も使えます」


はい、今後チートという単語は封印します。最強生物? 何故迫害? 助ける意味あったの?


「あっ、でも竜化は成人しないと出来ないんです。

だから私は身体能力向上と魔法ぐらいしか使えません」


いゃ、十分でしよ! てか、魔法あるんすか?


「魔法はあります。

今朝、ティーナが焚き木に火をつけたのはファイアの魔法です。

ちなみにご主人様は地球人なのでこの世界で魔法は使えません」


一瞬で夢も希望も潰えました。


ナビさん、希望を持たせて伸びる子もいますよ!


「事実を事実として伝える事が私の仕事です」


はい、ありがとうございます。


私は今後、ただの一般的な地球人としてこの世界と向き合って生きていきます!





そうこうしていると陽が暮れてきた。


手頃な夜営地を見つけ、今晩のクッキングのお時間です。


ご用意したのは、イノシシの肉、骨、内臓。


あと森近くに生えていたキノコ(これはティーナにとってきてもらった)、僕は昨日と同じユリ根と山菜。クッキングスタートです。



まずは鍋にイノシシ骨を投入。


じっくり煮込みます。


アクを取りながら煮立ったら骨を取り除き、モツを投入。


その後にキノコ類とイノシシ肉を入れてアクを取りながら煮込みます。


次にユリ根と山菜を入れて、塩と胡椒で味付けをして完成。今日は鍋にしてみました。




「リューイ様の作られたものは本当に美味しいです!」


またもティーナは一心不乱に食べ続けた。


嬉しいんだ、嬉しいんだけど、僕の褒められる事は料理と裁縫だけ…。




お腹も満たし、夜も更け出した。ティーナに毛布を渡し、焚き火を囲む。


「この調子なら明日の午後には村に着きそうです」


「そうか、じゃあ野宿も今日が終わりかな?」


ティーナは舌舐めずりをしながら残念そうに頷いた。料理だな、料理なんだろう!


あの顔は僕じゃない、料理様との別れが残念なんだ!



「そうですね、明日には村に着きます。

まずは村長にお会いして頂いて。

そうだ、リューイさん、住む場所は私の家でいかがですか?身の周りの世話も致します!」



こんな美少女と一つ屋根の下、嬉しくはないはずは無い!


しかし、彼女のニーズは料理、料理様なのだよ!それを一男子が許容出来るか?否、断じて否だ!




「ティーナさえ良ければお願いね!」


プライドより欲が勝ちました。だって可愛いんだもん!




ありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ