ルビー?
よろしくお願いします。
ルビーの元に戻ってティーナ達に確認する。
「容体はどうだろう?」
ルビーはまだ目を覚まさない。
顔色も良くないように見える…。
「解術はされています。
かなりの衰弱が見られますが、まもなく目を覚ますと思われます」
ライアさんがルビーの容体を説明する。
するとルビーの目が徐々に光を戻していった。
「ここは…?」
ルビーが意識を取り戻した…。
その瞳は燃えるような緋の色をしていた。
「安心して休んでいていい。僕の名はリューイ、味方だ。
君はコビンというコボルトを知っているかい?」
安心させるには知人の名前を出すことが効果的だと何かの本で読んだことがある。
なのでコビンの名前を出してみた…。
「…、コビン…、はい…、」
「コビンは僕達の仲間だ。君の名前は、分かるかい…?」
ルビーは少し落ち着いたようで、柔らかな笑みを浮かべた。
「ルビーと言います…。私はいったい…、あなた方は?」
そこにコビンが戻って来た。
「姫さま!目を覚まされましたか。良かった…」
コビンはルビーの手を握って喜んでいる。
親密な間柄なのが見て取れた。
ルビーの無事を確認したコビンは、リューイを連れ出し離れた場所に向かった。
「リューイ様、あの魔族が死にました」
理由を聞くと、
コビンはサリタウルスに六芒星について聞き取りを行った。
予想通り、六芒星の頂点には人為的に魔物を発生させている。
それが今回のスタンビートにつながっていた。
魔物を発生させるには六芒星の頂点にから膨大な魔力を流し込む必要がある…。
それを取り込み、六芒星に流し込む役としてルビーが使われたとの事だ。
「そこまで聞き取り、六芒星の目的を吐かせようとしたところ、彼奴の頭が吹き飛びました。
多分、情報隠蔽の為に特殊な魔法が使われていたようです」
コビンが簡潔に報告していると、女性陣の方が騒がしい。
どうやらルビーが騒いでいるようだ。
「シトリン、シトリンはどこ!シトリンに合わせて!」
コビンが言うには、ルビーには双子の妹がおり、それがシトリンだ。
ルビーとは対照的で、金に近い黄色の髪に、透き通った黄色の瞳をしている。
そして最高にコビンが付け加えた。
「シトリン様はこの塔の対になる、山脈を越えた塔の最上階にルビー様と同じように幽閉されています。
それがあの魔族の最後の情報です」
さて、どうしたものか…。
今居る塔から、山脈を越えた遥か向こう側に、問題の塔の先端部分が見える。
僕は塔の先端を見つめ続けた…。
塔の外、皆の集まる陣地へと戻って来た。
「みんな、集まって欲しい」
ティーナ達を含めて、遊撃隊の皆を集めた。
「みんな、よく聞いてくれ。魔物のスタンビートはとりあえず落ち着いたと思う。
街に被害が及ぶ可能も低いだろう。最低限の見張りを残して明日撤退する」
そう言うと遊撃隊の皆からは歓声が上がった!
ティーナ達は「えっ?」と言う顔をしている。
「では解散だ!各自持ち場に戻って荷物の整理と食事の準備をして欲しい」
各自がバラバラと居なくなる中、ティーナ達が残る。
「あのぅ、リューイ様?
私達はルビー様のご姉妹を救いに行くのだと思っておりましたが?」
ティーナが「なんで?」という顔で尋ねる。
僕は、
「他国の姫の話だ。
ルビーを助けただけでも運が良かった。
考えても見ろ、あの塔の中であった事を!」
下手すれば全滅しててもおかしくない。
なのに、危険を犯してまで、それもあんな遠い塔に助けに行っても、ルビーの姉妹が生きている保証も無い。
またスタンビートのようなトラブルが発生するとも限らない。
「一度撤退すべきだと判断する…」
「ですが…、」
言いかけた言葉をティーナが口を閉ざす。
ルビーはうつむき、コビンは黙っている。
「コビン、命令だ!
ルビーを連れて休ませろ。まだ体調が良くないだろう、そんな身体で勝手な事をしないようにお前が責任を持って管理しろ。
他のみんなは各自早く休むように!」
そう言った時、遊撃隊の陣地の外から雄叫びが聞こえた。
どうやら魔物との遭遇があったようだ。
「まだ、僕達の街も安全じゃないし、街の守備隊にも苦労をかけている。
すまないが、ルビーの姉妹の一人と、二万を超える街の人を比べたら、僕は選択を迷わない。
明日、ここの兵は撤退だ…」
僕はそれだけ言うと、魔物と遭遇したと思われる方へ向かった。
僕の背中を見送った後、コビンはルビーを連れて、他のみんなは不服そうな顔で各自解散していった。
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