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コビンさんの思い?

ようやく今週も半分が終わりましたね!

お疲れ様でした…。






「明日からまた塔の攻略になるけど、あの塔をどう思う?」


味噌焼ききりたんぽを食べながら、みんなに聞いた。


「そうですね、バランスがおかしいです。

三階までは弱いとは言えないですが普通に倒せる魔物のレベルです。

しかし、四階の仕掛けといい、そのあとの熊の魔獣、落とし穴の先の魔獣の異様さ!

何か、意図があるのでしょうか?」


ティーナが言う、確かにおかしい。アレは普通なら全滅する。



「そうだのう、確かにライトシェルだけでも全滅しておかしくない。しかし、何か引っかかるのう」


ドワーフのドルクが言うと、カイが挟んだ。



「そう言えば、ドルクさんが言ってましたね。

確かに罠のあった四階と最下層には太刀打ち出来ない魔獣が居ましたが、最下層に落ちるまでは滑り台のようで誰一人としてケガもしていない。

むしろ、そこに送りたいみたいですね」


一同首をひねる。



なぜ、わざわざ強い魔獣の元に送る?侵入させたくないなら、最初からぶつければいい。




「もしかして恐怖…?」


ドライアドのライアさんが呟く。



「どういうことですか?」



僕が聞くと、


「はい、古くから私たちの種族の中で伝わる話があります。

神は崇める事によりその威を高め、邪は恐れる事でその力を増すとあります。

すいません、忘れてください。神はそのありさまを身近に感じておりますし、竜神様の存在も拝顔致しました。

しかし、邪の意味は古くからの伝承で分からないのです…」



そうか、「邪」という存在。


ナビさんに聞いても不明と答えられた。


しかし、六芒星に形取られたスタンビート、二柱の塔、そして恐怖を呼び起こす強力な魔獣。


何か引っかかる。


「そうだな、憶測では対策として使う訳にはいかないが、注意する点としては有効だと思う。

明日からの探索では「恐怖」を一つの判断材料にして進む事を考慮しようか」



そう言うとライアさんが胸を撫で下ろした。





「明日からのパーティだが、編成を変えたいと思う。

二班に分け、先行が僕とティーナ・カイ・コビン、後攻がポチ・ドルク・エルーサ・ライアで行きたいと思う。

理由は重量トラップもあるが、一応ポチもこの迷宮に囚われてた経緯もあるので後攻で様子を見る」


ポチは「自分は大丈夫です」みたいな顔をするが、万が一のこともある。


あと、実験だ!


パーティの半数が女性陣、ドルクには後で充分に言い含めるが、「待て」を言い含められたポチが、万が一にも女性陣に手を出したら、次は半永久ミノ虫の刑だ!


ヤツにはここで名誉回復してもらおうと思う。


別に回復しなければ楽しみが増えるだけだが…。





翌日、守備隊には悪いが僕達はよく休めた。守備隊は交代制で警備だからね!


僕は朝風呂に入りに行った。当分入れないなら今のうちに入らせて頂きます。


ちなみに風呂は24時間制だ、交代要員が入るからね!



風呂に入ると先客がいた、コビンだ。


「リューイ様、お早いですね」


コビンは風呂に浮いていた。どうも足がつかないので、浮くしか風呂に入れないらしい。


「あぁ、当分風呂に入れないからね」


ぷかぷか浮きながらコビンは僕を見ながら話し始めた。




「リューイ様、この土地はいいですね。皆さんとても優しく、思いやりがある」


コビンは語り始めた、それを僕は湯船で聞いていた。


「コボルト族は世界各地に存在しています。だから色々な種族の情報も入って来ますし、実際私も色々見てきました」


そうか、コボルトの代表でここにいるんだから経験があるんだろう。そう僕は思った。


「しかし、ここに来て私は思いました。

外の世界では政変や種族軋轢、奴隷問題など、多かれ少なかれ有ります。

そのため我らも変身して適応することにしてきたのですよ。

しかし、ここでは我らは素のコボルトで生活できます。

これは我らコボルト族にとっては至福なのですよ。

私は皆のこの生活を守る為ならば命をかけるでしょう!」


そう、他人の為になることが生き甲斐のコボルトは、姿を変えて他人の為に尽くしても自分の満足にはならない。


それなりに自己満足にはなるが、本当の自分への感謝ではないのだ!


なので、いつもコボルトはどこか気持ちの中でくすぶり続けていたという。



それがこの街に来て、素のコボルトで仕事をし、姿を変えずに商売して喜ばれ、城の中にいるものも、素のコボルトの意見を取り入られて、更に喜んで仕事に取り組んでいるのだと言う。


「今、私達種族は幸せなのです。

私達は人のためになることに生き甲斐を感じる。その場を下さったリューイ様に皆感謝しております。

それだけは知っていて頂きたいと思います」


そう言うと、ぷかぷか浮いていたコビンは器用に岸に乗り上げ、立ち上がって礼をして去っていった。


「そうか、コボルト族がそんな感じ方をしていたのか。嬉しいけど、それってブラック企業の始まりじゃない?」


そう、自分に出来た事は部下にも出来る。


それがブラックの始まりだ、と何かで聞いた事がある。



コボルト族の気持ちはありがたいが体質改善しないと、他の種族がついていけない!



「まずは目の前にある問題を片付けてからだなぁ」


そう思って僕は風呂を後にした。


コビンがこんなに話すヤツだと思わなかっななぁ、などと思いながら…。



読んで頂きありがとうございます。

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