ティーナとの出会い?
よろしくお願い致します!
マジで死ぬところでした。
その上、ナビさんかその後ほざきやがりました!
「オーガソードの機能ですが、突起を一度押すと槍が飛び出します。もう一度押すと、槍が射出します。
尚、突起を二度続けて押すとオーガソードの形状のままで槍が射出します。
その威力はグリーズベアー程度の肉体ならば簡単に貫きます」
それ先に言ってよ、生存率13%って何だったの?
「グリーズベアーは俊敏です。
狙いをつけて射出する間に襲われる可能性は非常に高かったと判断します。
なお、槍を射出した場合、5秒で再充填可能です。
その際、射出した槍は消え、その槍が再充填されます」
こんなところでチートありました!
なにそれ、槍が勝手に帰ってくるって!ロケットパンチですか?
とりあえずその機能は哀れな野ウサギさんで試させて頂きました。
ティーナと出会った後、場所を移して落ち着いてから詳しく話し合う事にした。
ちなみにその途中で可哀想な野ウサギさんと出会いましたが、ティーナさんが教えてくれました。
「すごいですねその刀、伝説級ですか?」
はい、こちらの世界にもありました。チートのフラグ回収です。
川沿いの見渡しの良い場所(逃げやすい場所)にたどり着いた。
ナビさんも付近300メートルは魔物の気配は無いとの事。
「遅くなったけど、僕の名前はリューイ、この世界で迷い人と言う存在らしい」
ナビさん曰く、この世界で迷い人は珍しく無いらしい。どんどん僕の希少性は減ってます!
「そうですか、それなら先程の事も理解出来ました」
そうティーナは言った。先程の事がオーガソードか、僕の戦いかはわからないが、更に僕の希少性が減った事だけは事実だろう。
「本当にありがとうございます。
もうダメだと思っていました、リューイさんは迷い人という話ですが、どちらの世界からお越しになられてるんですか?」
はい、さらに希少性が下がりました。
「地球と言う世界から来ました、その中の日本と言うところに住んでいました」
そう言うと、ティーナはカバンから冊子を取り出した。
「地球と言うと、このページですかね?」
そこにはアラビア語が書かれていた、多分…。
「そうですね、その文字に見覚えがあります」
もう、希少どころか普通ですね!
「もしかするとこちらのページですかね?」
そう言うと、ティーナはページをめくった。
そこには日本語が書かれていた。いらっしゃいませと!既に常識化されてます。
「そうですね、この文字は僕の故郷の文字です」
嬉しくもあるが、望んで来た訳じゃ無いのだが、何故か頬を伝う水を感じた。
「すいません!マニュアルにはこれを見せる時は細心の注意をするようにと書かれていました」
ふっ、反対の頬にも水が流れてるぜ、空は青いのに天気雨か…。
「いえ、違うんです。この世界に来た人は基本この世界の言葉がしゃべれないんです。
なのでこのノートを見せて、その人が安心できるようにするんですけど…。
リューイさんはこの世界の言葉を流暢に喋られるので…」
そういえばティーナと普通に話していたから気づかなかったけど、その点はどうなんですか?ナビさん!
「聞こえる声は私が翻訳してます。
まぁ、別機能で自動的にしてるんですけれども。
話す方に関しては、声の振動変えて意味のあるものに変えております。
まぁ、これも別の機能でやっております。
自動で行っておりますので常に発動しております」
チートや、チートが来おった!
チートっぽいのはあったけど、本物のチートや!
ラノベなどで普通に設定されているものがこんなに感動させるとは!
普通に話せるって、ホントはすごい事だよね!
「普通にしゃべれるってすごいことなのかな?」
「はい、このノートを書かれたのは、地球と言う世界から来た迷い人でした。
彼は言語学者?と自分のことを話されてました。
その方が書かれたもので、迷い人の見つけ方やその後の暮らし方や行動の指針も本にされていました。
私たちもマニュアルを渡され、迷い人を見つけたらそれに基づいて保護するように言われてました」
ありがとう、ありがとう先に来た迷い人よ!おかげで抵抗無く受け入れてくれました!
「あ、一応言っときますけど、マニュアルなどを使っているのは私たちの部落だけですのでその点はご理解いただけるとありがたいと思います」
すいませんリンネさん、すいませんナビさん、恨み言を言ってすいません!
理解ある方に出会わせてくれてありがとうございます!
・・・本当は普通に話が出来るところに転移させるつもりだったんだけどな・・・
リンネの呟きはリューイには届かない……。
「それで、ティーナの部落は何処にあるの?」
「はい、この川を下ればあります。
ただ、ちょっと逃げ回っている間に離れしまったので、ちょっとたどり着くのに時間がかかります」
そう言うとティーナは困ったように微笑した。
「どのくらい?」
「はい、多分普通の人が歩いて三日程かと?」
どんだけ逃げ回っていたんだ!
その時、ティーナのお腹が可愛らしく鳴った。
「すいませんっ…!」
恥ずかしそうにティーナはお腹を押さえた。
そりゃそれだけ逃げ回ってたら腹も鳴るだろう。むしろ普通の人は満身創痍だよ!
「まずは食事にしよう」
そう言って準備をしようとしたが、あるのはラピ○タパンと野ウサギ…。
パンは見せていいのか?
とりあえず、持っている野ウサギを目の前に置いた。するとティーナが、
「僭越ですが、このウサギは私が捌いてももいいですか?」
はい、ウェルカムです!
現代日本の高校生が野ウサギ捌けるわけがありません!
「頼めるかな? 調理は僕がするよ!」
「いいのですか? 分かりました、少しお待ち下さい」
そう言うとティーナは手慣れた手つきで野ウサギを捌いていった。
僕は料理は出来ます。
両親はレストラン経営。
ただレストラン経営は、基本長時間の拘束になる。
妹が育つまでは両親が経営する店でご飯を食べていた。
けど、妹が育つと(妹は祖父に預けられていた、祖母は僕が生まれる前にお亡くなりに、) 僕が面倒を見るようになった。
食事の世話もしたし、妹は食事にワガママ(多分祖父の影響ですよね)なので、料理の腕前だけは上がっていった。
とりあえず、あるものの確認。
ラピ○タバックの中には何故かキャンプ用調理セットと塩、胡椒が入っていた。これだけあれば何でも作れる!
まずは周りの草花で香辛料になりそうなものを摘む。
それをティーナに食べれるか確認する。
とりあえず摘んだものは全て食べれるとの事。
そうこうしてる内に解体が終る。
次は調理だ!
野ウサギの脚を切り取り、胴体は腹を裂き、骨を外す。
胴体は腹に香草に塩と胡椒をまぶしたものを詰めて腹を塞ぐ(なぜかバックの中に裁縫セットが入っていた、ちなみに、ナビさん曰くバックの中のものは永久に減らないらしい。
これもチートか、ただしショボい内容だが)、そして塞いだ肉を竃(石と木の棒で作ったもの)で丸焼きにする。
ちなみに、肉の周りには粘土で包んである。
いわゆる蒸し焼きを狙っている、本来なら塩で包むのだが!
ナビさん曰く、粘土の中の微生物は高温で焼けば死滅するので大丈夫と確認は取れてます。
良い子は真似をしないように!
後は粘土を割って、一度洗った後に塩と胡椒を振り、皮がパリパリになれば出来上がりだ。
次はスープ、運良く山百合らしいものが生えていた。
それをティーナに食べれるか確認して、野ウサギの骨を砕き煮立たせたスープに食べられる草花と百合根を入れる。
また煮立ったら火から外して塩と胡椒で味を調える。後は火の近くに置いて冷めないようにする。
後は脚肉のソテー。
香辛料と塩と胡椒で味付けしたものを脚に塗りたくって、フライパンでじっくり焼く。
これで野ウサギ料理の完成!
ちなみにナビさんに食べれる野草か確認すれば早いが、ナビさんのことは今は話せないし、コミュニケーションは大事だよね!
「おいしいです、こんな料理食べたことありません!」
ティーナはおいしそうに作った料理を食べてくれた。
主食は無いが、十分満足出来る量だろう。
味も美味しく致しました!とりあえずティーナは満足してくれたらしい、安心しました。
「ティーナたちは野ウサギをどうやって料理するの?」
「え、焼いて食べるんじゃないんですか?」
自称言語学者は料理が苦手らしかった…。
ありがとうございます!