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迷宮を出たら朝陽じゃなくて夕陽でした?

本年最後の投稿になります。

本当に読んで頂きありがとうございます。


竜人族達は無事ライオネ山脈を越えた。


竜の里側は迷宮になっていたが、僕にはナビさんマップがある。


要所を遊撃隊に見張りさせて魔物を撃退、その隙に竜人族を出口に向かわせた。


「久しぶりの日の光だ!」


長い者で半月近く日を見ていなかった。嬉しさが込み上げるのも頷ずける。


特に火が使えなかったのが辛かった。


煙が出るので、暖も取れなければ、煮炊きもできない。抱き合って温め合い、保存食で腹を満たすしかなかった。


「まずは食事にしよう!」


僕がそう言うと、竜人族も慣れたもので、煮炊きの準備を始める。


レシピを広めておいて良かった!


各々が焚き火を囲んで鍋をつつく。


食べ終わるとみんな休んでいる。夕方が近づいてきている頃だ。


「今日はここで一泊しようか、交代で見張りをして、早朝に出発します」


ライオネ山脈の中腹とはいえ、魔物の危険は少なからずある。

できれば早く進みたいが、1000人規模の野営は場所を選ぶ。


迷宮出口付近は広いから良いが、この先は場所を選ぶ。女子供もいるのだ、森を抜けるまで五日はかかるだろう。


遊撃隊を中心に見張りを立て、みんなを早く休ませた。


「森を抜ければ早い、多分一週間後には竜の里に着くだろう」


そう言うとリプトンさんが、

「では、そろそろ組み分けを決めますか」

と切り出した。


竜の里に着いたときに、誰がどこに住むか、と言う話だ。


「確か、13の村からなっていたよね。リプトンさんの村が150人、他が50人から100人で、全員で1200人くらいだっけ」

「はい、1236人おります」


おぅ、ちょうど四で割り切れるわ!


「では、東西南北で配置しよう」


リプトンさんは東西南北と言うワードに「?」を示した。


「要は、四っつに分けようって言う話さ。日が昇る方を東、沈む方を西、日が真ん中に差し掛かる方を南、その逆を北として名前を付けよう」


基本的に竜人族は正確が素直だ。


だから、こうと決めたら理不尽な事でない限り(理不尽でも以外と納得する)、反発は少ない。


ようは○○村の○○さんと呼び合えるようにする為の組み分けだ。

これからは一箇所に住むんだから大事だよね!


「では、各村の長と話し合ってきます。仲の良いもの達もおりますので、彼らの意思に合わせて進めてよろしいでしょうか?」


リプトンさんが確認する。それは大事な事だ。


「うん、僕もそう思う。それで進めて欲しい」


そう言うとリプトンさんは頷いて去っていった。



リプトンさんが去って、残ったのは僕とティーナ、サムとカイ、ヴァルちゃんとポチの6人?だ。


僕はポチに切り出す。


「ポチ、改めてお礼を言う。おまえのおかげで竜人達は一人の犠牲者も出さず、この地にたどり着いた。ありがとう」


僕がそう言うとみんなが続いた。


ヴァルちゃんも「キュイー」と頷く。


「いやぁ、めっそうもない!当然の事をしたまでと言うか、してないと言うか、何と言うか」


何言ってるかわからないが、ポチが照れていることは分かる。


「それで、一つ確認したい事がある。ポチは僕達の家族だ、これは大前提だ。その上での話だ。もともとポチは自由になる為に里を出たんだよね、だとしたらいつでも言って欲しい。ポチが行きたい道があるなら祝福して送り出すから!これは他のみんなにも言える事だ、ただしティーナ以外!」


僕は独占欲の強い男です!ティーナは喜んでるけど。


「その必要は無いですね、俺も今はみんなが家族だと思ってますから!今はここにいることが俺にとっての自由かもしれないし」


そう言うとポチは照れながら笑った。


「じゃあ、いつまでも「ポチ」じゃダメだな、本当の名前を教えてくれ」


そう言うと、しばらくポチは悩んで答えた。


「前の名前に良い思いもないので「ポチ」でいいです。これからも「ポチ」でよろしく!」


コイツ、カミングアウトしやがった!まぁ、本人がそれでいいって言うんだからそれでいっか!


「じゃあ、これからもよろしくな、ポチ」


ポチとみんなで手を握り合った。



翌朝、竜の里に向かって出発した。


途中、僕達と村の長達だけ(魔物が出るので全員は連れて行けません)は竜神様の遺跡に寄った。竜神様は不在?だったのでお神酒を奉納して、みんなの元に戻った。


一週間が過ぎ、ようやく森を抜けた。


そこには金色に輝く草原が広がっていた、まだ収穫には早いが、実を付け出した稲畑だ!


「すごいな!あれだけ刈り取ったのに、もうこんなになっているなんて。主食が雑草並みの繁殖力なんて、いいのか?」


ナビさんには「年四回は収穫できます」と聞いていたが、実際にこの目で見るのとはまた別だった。


「リューイ様が言うように理想郷ですな!」


リプトンさんが僕の元に来て言った。


僕もそう思う、僕が初めてリプトンさんの村に訪れた時は、狩をして日々の食をつないでいた。


しかし、ここには山の恵みがあり、森の恵みがあり、そして稲畑があるんだ。


日本とは比べられないが、竜人族にとっては理想郷と呼べる!



読んで頂きありがとうございます。

来年も皆さまにとって良いお年でありますように…

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