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魔人族の思惑と龍人族の思惑?

迷宮での話になります。

あと一歩!

「副官、砦の中には誰もいません!」


偵察隊からワルターは報告を受けた。


もう少し詳しく調べれば、ティーナが使った土魔法の痕跡を見つけられたかもしれない。


しかし、ワルターにはその余裕が無かった。


「一夜にして全員が居なくなるだと、そんな事はあり得ない」


ワルターは騎馬隊に指示して逃走経路を探させた。


「ありました!」


ワルターの元に報告が来た。


竜人達は絶壁の背後になんらかの手段(そこまでは竜人族の生活圏の為、特定は難しい)で移動し、川沿いにライオネ山脈に向かったとの報告だった。


川沿いには大多数の移動の跡があり、周りは魔物が出る森林の為、この道しかないだろうということだった。


「そう言えば、茶褐色の竜もその方角に向かったな。騎馬隊、私に続け!歩兵は砦を占拠しておけ」


そう言うと、ワルターは騎馬隊を引き連れて川沿いをライオネ山脈に向かった。




どうやら僕の作戦はうまくいきそうだ。抜け道の入り口にたどり着いた。


竜人族はもう抜け道の中だろう。




抜け道には目印をつけてある。


その入り口の前の近くで、木にもたれかかって、ポチがイビキをかいている。



僕はポチに近づいた…。


「ポチ、お疲れだったな」


小声で呟くと、ポチが目を覚ました…。


「うにゃ、ふわ?リューイ様ですか?待ちくたびれましたよ!もうみんな中ですよ」



ポチが逃げ道を指さす、僕らも中に入って行った。


竜人族全員が逃げ道に入った。


扉を閉めて、ティーナが土魔法で扉の外を土で塞ぐ。


ティーナ曰く、

「塞ぐ前と同じにしてあります。表面は魔法で草花を移してありますので痕跡はほぼないかと」


魔法便利やわ〜、僕使えないけど!


その後、竜人達に通路を土魔法で塞いでもらう。


万が一扉を発見された時の時間稼ぎだ、僕らは道を開けてもらいながら先頭に向かった。


レッドドラゴンさんの元住処に竜人族の大半が休んでいた。


疲れたのだろう、思い思いに休んでいる。


僕はみんなを呼び、集まってもらった。


「壁を守る竜人達と遊撃隊により、一人の戦死者も出さずにここにたどり着いた。聞けば先行隊も一人の脱落者も出さず、ここへたどり着いたと聞く。今日はゆっくり休もう!」


そう言うと歓声が沸き起こった!


この三日間、離ればなれの者達が抱き合う。


食料も解放だ。みんな喜び合っている。ひとまずホッとする。




僕は、ティーナを連れて迷宮側の9階に行き、迷宮からライオネ渓谷に出た。


「ティーナ、この魔法陣を元に戻そうと思う」


そう、魔虫達の異常発生を造り出した魔法陣だ…。



そう言うとティーナは青ざめた。


「そうすれば、また虫達が渓谷を埋め尽くします!」


そう言うティーナに説明した。


「そう、虫達で埋め尽くすんだ。そうすれば魔人族は渓谷を渡れない、この先の地はとりあえず安心できる」



課題は残る。


エネルギーが過剰なのだ…。


過剰なエネルギーにより、本来の魔獣や魔虫が過剰成長してしまう…。


ポチが浴びていたようなエネルギーをどうするかだが、ナビさん(久しぶり、実は都度手伝ってもらってました)が魔法陣を書き換える時に、少し細工をすれば負のエネルギーを聖のエネルギーに変えて供給できるようになると聞いている。


とはいえ、聖のエネルギーとはいえ、過剰なエネルギーは害を与える。吸収する媒体が必要だった。


「過剰なエネルギーは聖でも負でも影響が大きい、聖のエネルギーを受け止められるものがあればコントロール出来るんだが…」


僕がそう呟くと、ティーナが何か決心した顔で呟いた…。


「それならば…」


ティーナは二つの宝玉を差し出した。



「これは父と母の宝玉です。昔、魔物から村を守る為に命を落としました。竜人は死ぬ時に姿を晦まします。父と母は魔物と戦った為、死んで宝玉を残しました。いつか父と母を供らってあげたいと思っていたのです。聖なる気が満ちるなら、両親も安らかに眠れることでしょう」


「良いのかい、ティーナ?」


聖の気とはいえ、渓谷の中だ。心配になる…。


「父も母も村を守って亡くなりました…。いつも「死んでも村を守る。しかし、死んだら身は決して人の目につかないように、特に魔人族には…」と言ってました…。まさか宝玉がこんなところにあるとは思わないでしょう!」


苦笑いして、ティーナは両親の宝玉をそっと渡した…。



僕はティーナの気持ちを受け入れた。


とはいえ、レッドドラゴンさんが居た場所に置いてはおけない。


魔法陣をよけて、聖なる力がレッドドラゴンさんの居た場所に届く道程に穴を開ける。


そこに宝玉を埋めて魔法陣を戻した。


まさか、魔法陣の下に宝玉があるとは誰も思わないだろう、ここがティーナのご両親の墓標だ。


僕らは魔法陣の下に眠る宝玉に向かって手を合わせた。


「ティーナのお父さん、お母さん。必ずティーナを幸せにします。そこで安らかにおやすみください」


そう僕が言うと、傍らにいたティーナは、僕に寄り添って嬉しそうに泣いていた…。




大晦日ですね、ショート含めて三話投稿します。

読んでいただきありがとうございます!

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