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少女と森のクマさんと?

よろしくお願い致します!


人心地ついた僕は、ナビさんと今度こそ装備やスキルの説明を聞いた。


①フィジカルブースト 

 →いまは三倍、後は不明。


②異次元ポーチ 

 →何でも入る、今は空。オーガソードを装着すると、半月形の白いポーチが腹のところに来る、ドラ◯もんか!


③フードコートとドクロ

 →フードコートは対ショック、対防御可。ドクロはリンネの趣味?


④ラピ○タバッグ

 →ランタン、ナイフ、パン、ライター、その他、リンネの恩恵により無くならない、ただしサイズ固定!


⑤オーガソード

  → 本来は、形状は使用者の任意で変わるらしい。成長すると意志が芽生えるとか? 剣が意志? 意味不明?


異次元ポーチは何でも入る、あのバックも無限再生、身体能力向上三倍、魔法やスキルは無い…。地味だけどチートと言えばチートだ。


地味だけど…。




後はナビゲーター(案内人)。これはナビさん自身に聞いたんだけど、リンネからかなりの制約を受けているらしい。


この世界のこと以外はある程度教えてくれるし、この世界でも僕の危機的な事には教えてくれるらしい。


ただ、この世界のことは基本的に教えられない?


僕が知った事には関しては、ナビさんもその知識の扉が開くらしい。例えばグールの生態なども、今は教えてくれる。


それを考えるとリンネはこの世界を僕の力で知れと言う事なのだろうか?


まぁ、この世界で生き続けることが僕の仕事なのだから!


けど、なんで?





「きゃー!」


女の子の声が聞こえた。


彼女は森の中から飛び出してきた。




何かに追われているようだった。


彼女の後を見ると、大きな影が迫ってくる。


それは熊のように見えた! 地球の熊の倍くらいはある。地球の熊と違うのは、熊の肩からはえる腕が三本づつあることかな? てか、多すぎ!


「グリーズベアーです。ご主人様の今の能力では、生き残る確率13.7%。退却を申請します」


あぁ、生き残る確率!


僕にとっては虚しい言葉だった…。




南◯トラフで両親と妹を亡くした。


そこで僕も生きることを諦めた。


この世界で生き続けると言う条件で僕はここにいる、家族の為に。


ただ生き続ける僕、そこに生きる目的は無かった…。




「あぅっ!」


声の方を見ると、少女がグリーズベアーの三本の腕に吹き飛ばされ、木に叩きつけられていた…。



今は彼女は助けよう!


べつに生きる意味は無い。僕が死んでも彼女が助かった方が意味があるだろう…。


そう思ったら、グリーズベアーに向かって体が動いていた!




少女の逃げて来る方に向かった!グリーズベアーと少女の間に割り込む。


僕はなんとか襲われる前に少女の元へたどり着けた。


女の子を後ろにかばう。よくグリーズベアーに捕まらなかったもんだ!



改めてグリーズベアーを見る! まるで灰色の壁だ、デカい!


「でかい、どうすればいいんだ?」


勝てる気がしない、とりあえず女の子に川へ逃げるよう促す。



「手が6本って、反則だよね…」


立ちはだかるグリーズベアーが、これでもかと6本の腕を広げて、けたたましい咆哮を上げた!




グリーズベアー、3メートルを超える熊型魔獣…。


肩から3本の腕を生やし、その膂力は大木をもへし折る。


雑食で性格は獰猛!


この近辺では生態の頂点に立つ。


ようは森の主さんって事だ。


ナビさんの解説だが、弱点までは教えてくれなかった…。



女の子を逃がそうとしたが、その場から動かない! 腰でも抜かしたかな?


「僕の後ろへ!」


女の子に声を掛けると、僕の後ろに回って祈りだした。


近くで見るとかわいい!薄紫色の髪に同じくアメジスト色の瞳。ただ、ちらっとシッポが見えたような?


「木の陰に隠れて、出来るだけ離れて!」


そう言うと、僕はグリーズベアーと対峙した。


でかい、相手は威嚇モードなので更に大きく感じる。




グリーズベアーはいきなり襲って来た。


3本の右腕、合計15本の爪が襲って来た。


僕は腕の外側に逃げるが、グリーズベアーは器用に体をひねり、うでを横薙ぎにした。


「まさかの裏拳?」


僕はオーガソード(いつまでもナタはまずいか)を盾にするが、膂力の差から見事に吹き飛んだ!


後ろの大木に背中からぶちあたった!背中への鋭い痛み、肺の中の空気が噴き出した。


「つっ…、ますい、頭も回る、正面からはまずいか!」


なんとか立ち上がる。


今度は左腕3本が襲って来た!


僕は腕の下をかいくぐるとオーガソードでスネを打ちつけ、低い姿勢でまたの下を擦り抜けた。


スネ打ちが効いたのか、今度は追撃は来なかった。


しかし、攻撃が当たらなかったことが気にくわなかったのか(スネのダメージは無いみたいです)激しく雄叫びを放った!


再度対峙、左右からの攻撃、たまに裏拳!一方的に攻められる図柄だ。



「マズイな、ジリ貧だ…。けど熊だから弱点はアソコだよな、けどオーガソードじゃ難しいか!」


そう、熊なら眉間付近が弱点だろう。


しかし持っているオーガソードは、要するにナタです!


切る、叩く、は出来ても、突きは出来ない! 刺さらない! はいっ、詰みました…。





「持ち手の突起を押して下さい」


急にナビさんから業務連絡!


「持ち手の突起を押して下さい、刃がスライドして槍が出てくる仕組みがあります」



ナビさんナイス! でもね、勝手に心を読んだらダメだよ!



「緊急時の為、強制的に同期しました、普段は行いません。てか、野朗と同期はコッチがキモい!」


ナビさんゴメンナサイ…。



反省しつつ、持ち手の突起を押してみた。


ナタの先端部分に、返しの付いた槍(長さ30センチ程のでかい針のようなもの)が出てきた。


「これなら…、」


そう言うと、グリーズベアーへ振り返った。


「このままでは難しい、でもうまくやれば…」


そう言うと、僕はグリーズベアーからズリズリと引き下がり、木が密集している方へ移動して、身体を低く身構えた。


グリーズベアーは大きく咆哮すると、僕に向けて左腕を振り下ろして来た。


「いいタイミングだ!」


そう言うと、僕は左腕の攻撃を後に飛び避けた。


攻撃は地面に突き刺さる、その腕に飛び乗ると右腕の攻撃が襲い掛かる!


僕は、それを後ろにジャンプして躱し、その勢いで後ろの大木の幹に着地。更に勢いをつけてグリーズベアーの真上に向けてジャンプした。


「これでどうだっ!」


オーガソードの槍の先を、グリーズベアーの眉間に向けて、全体重を乗せて突き刺した。


「グァァァ〜」


グリーズベアーは避けようとしたが間に合わず、眉間ではなく右目に槍が突き刺さった。


目に刺さったので、骨に遮られる事なく、槍は深々と突き刺さった。

多分脳にまで届いただろう、グリーズベアーはよろめきながらその場に崩れ落ちた。


「ようやく終わった…」


僕は、その場にへたりこんだ。




暫しの静寂の後、声が聞こえてきた。


「あのぅ…」


すっかり忘れてた、さっきの少女が声を掛けてきた。


「あの、助けていただきありがとうございます」



鈴の音のようなリンとした声だった…。


座り込んでいる僕の前に、少女はかがみ込んでお礼を言った。


心配なのだろうか、それとも助かった安堵感からか、その瞳は少し潤んでいた。



見つめられてちょっと恥ずかしい。


しかし可愛い!


リンネとは違う、清楚系の可愛さだ。


ずいぶん森を逃げて回ったのだろう、服はいたるところがほころびていたが、それも彼女の可愛さが優っている!


つい見惚れて、ボーッとしていると、


「あの、大丈夫ですか?」


そう言うと彼女はしゃがみ込み、今度は下から僕を見上げた。可愛い過ぎて僕のメンタルが破壊される!


「だ、大丈夫です、大丈夫ですとも!」


僕は引きつりながら笑った。


だってしょうがないでしょう、自分の人生でこんな可愛い子が話しかけてくるんだもん!



そう、僕も自分の見た目は悪いと思っていない。


しかし、生まれついてのアルビノと、ちょっと釣り目のせいか、日本では怖がって女の子は誰も近づいてこなかった。


まぁ、そうだよね、普通なら髪脱色してる不良ですよね!



「よかったです、安心しました。

改めてお礼をさせて頂きます。助けて下さってありがとうございました、私はティーナと申します」


嬉しそうにティーナは微笑むと、その後ろで割と大きなシッポがぴこぴこ揺れていた…。




〈閑話〉


地球の女神とリンネが話していた。


「多いですね、まだまだ山積みですね」


2人とも体に丸いものを持って、目の前の箱に選り分けていた。


「そうですね、まだ101万524人分ありますからね!」


そう言うと、天国、地獄、輪廻、転生とか書かれている箱に、丸いものをポンポン入れていった。


「確か100万切ってませんでした?」


リンネが聞くと、


「増えたのよっ!」


地球の女神がキレた!



そう、二次災害もあり、被害が現在進行形で増えているのだ。


「しかしなんでリューイ君は弾かれたんですかね?」


地球の神が問いかける…。


「どうもアレの意識がまだ残っているみたいね。まぁ落ちた場所はそんなに悪くないし、ただ…、思った通りには行きそうにないわね〜!」


どちらかともつかず、溜息が漏れた。


「これからは成り行きに任せるしか無わね、以外とあの世界を救ったりして…、 あの世界を…? ないわ〜〜」


二人共、 肩をすくめると、丸いもの(魂)を箱に仕分けていった…。




ありがとうございます!

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