さて、撤退戦?
長かったり、短かったりすいません。
さて、確認する事がある。僕はポチの元に向かった。
「ポチ、どうだ?」
今回の戦いにポチとヴァルちゃんは予備隊に置いてある。
「そうですね、もう一晩寝たら充分だと思いますよ」
ポチはそう答えた。
なぜポチを予備隊に残したか。
それは誰かが最後までこの砦に残る、それが必要だったからだ。
竜人族にはさせられない、唯一敵陣を単独突破出来る僕が残ると言った時に、ポチが提案したのだ!
「いいか、おまえはもう僕らの仲間だ。無理だと思ったら、作戦途中でも抜け出せ!」
僕がそう言うと、心配ないですよ!と、ポチは笑って答えた。
さて、三日目の戦いだ!
と、思ったのだが、魔人軍は川の向こう側に陣取って攻めて来ない。
定期的に前衛は入れ替えているようだが、その場を動く気配が無い。
「それは昨日やるべきだったな!」
僕はほくそ笑んだ。
魔人軍にも事情がある。
連日走らされて、戦場に着いたらいきなり戦わされた歩兵達。
二日の戦いで、数を三分の一に減らされた騎馬隊。精神的にも肉体的にも限界だったのだ。
「三交代で休め」
それがワルターの指示だった。
ワルターにとって、唯一の救いは指揮権が自分の手に入ったことだった。
しかし、ギャバンや騎馬隊の分隊長達を亡くしたことにより、責任もワルターに重くのしかかっている。
まずは軍を休め、再編し、明日以降の戦いに備える事が先決だった。
「領地に援軍は依頼した。ここからは持久戦だな、立場は完全に逆になった」
苦虫を噛み潰したようにワルターは呟いた。
主要メンバーを集め、僕達は最後の会議に入る、場所は村長の家だ。
今いるのは各村の長半分(残り半分は竜人族を束ねてライオネ山脈に向かっている)とリプトンさん、それとティーナ、ヴァルちゃん、ポチ、サムとカイ、そして僕だ。
「この様子だと魔人軍に今日の動きは無いだろう。なので行動に移ろうと思う」
僕がそう言うと、リプトンさんが答えた。
「私達もそれがいいと思います。では順番は?」
これからが撤退戦になる。
「順番は当初の予定通りでいいだろう。最初に壁の守護を任せた竜人達とそれを率いる村の長、日が暮れたら遊撃隊とリプトンさん、遊撃隊には壁の守護を日暮れまでして撤退だ。敵が寝静まるまで待機して僕達も撤退する、しんがりだ。そして…」
「分かっておりますとも、このポチが必ずやり遂げましょう!」
そう、最後まで残るのはポチだ。
我々が砦にいるように見せるには、夜を通して篝火を焚いている必要がある。
誰かが最後まで残る必要があったのだ。
それをポチが申し出た!
「再三言うが、無理はするな。不味くなる前ににげろ。お前は僕達の家族なのだから!」
そう言うとポチは苦笑いしながらうなずいた。
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