ようやく外へ、二人きり…?
ありがとうございます。
頑張って続けられればと思います。
中を覗くとまた通路。先に進みます。
緩やかに登っていくのを感じます。少しすると分岐点に出ました。
「さて、どちらに行くか?」
どうも、迷路型ダンジョンのようです。
ナビさんも全体像は不明と答えました。マッピングはしてくれるそうです。
「リューイ様、こちらに風を感じます」
僕は全く感じないが、ティーナは感じるようです。
「ティーナに任せよう」
そう言うと、ティーナは先導をはじめました。
いくつもある分岐点を迷い無く進みます…。
途中休憩を挟み、途中魔物を倒し、広い場所に出ては野営します。
ダンジョンのせいか、魔物が定期的に出没するので、ティーナと交代で休みます。
「出番が…」ナビさんが嘆いていました…。
三日ほどダンジョンを彷徨いました…。
徐々に魔物も弱くなっていき、最後はスライムしか出なくなった頃、目の前にひときわ大きな扉が出現しました。
僕は扉を開きます(また横スライドです)。すると日の光が差し込みました。
「入り口か!」
もう、僕らは逆行している事を受け入れています。
僕らは入り口から外に出ました。
振り返るとライオネ山脈、周りは木々に囲まれています。とりあえず扉は閉めました。
「う〜ん、空気が美味しいですね!」
僕も同感だ、三日も狭い迷路を彷徨ったのだ。二人とも大きく伸びをする。
「まずは休もう」
三日間、火気厳禁(一酸化炭素中毒は嫌です)だった為、暖かい料理は食べれなかった。
なので、少し休んだら料理を始めた。日も傾き始めたのでちょうどいいだろう。
今日は、迷路脱出記念日!
少し凝ろう…。
とはいえ、調味料も食材もバリエーションが少ない。
なので、すいとんを作ることにした。
小麦モドキを水と合わせて練る。
伸ばして定規の太さに切っておく。
鍋にお取り置きスープと根菜を入れて火にかける。
ヒュドラの肉(ナビさん曰く、旨いらしい)とキノコ類を途中で入れてアクを取る。
小麦モドキで作った麺みたいなものと、葉野菜にトウガラシっぽいものの粉末を少し入れ、しばらくしたら味噌を溶かし一煮立ち。
完全だ!
「さあ、食べよう!」
そう言うと、ティーナは目を輝かせながらすいとんを食べだした。
「美味しいです!
この白いもののムチムチ感、ぱんとはまた違った食感です。
それにヒュドラの肉は、噛むと肉汁が溢れ出します。葉野菜は食感が楽しめ、根菜はスープを吸い込み味に深みを増しています。
それにスープと来たら、美味しさもさることながら、身体に染み渡り、ポカポカ身体をあっためます!」
何食リポしとんねん!
と、突っ込みたいけど我慢。
ティーナは美味しそうに食べてくれました。まぁ、作った本人にしたら嬉しいけどね!
とりあえず、迷路ダンジョンの疲れもあり、ナビさんに警戒を頼んでそのあとは休みました。
翌朝、起きたらティーナは朝の水浴びに出かけました。
近くに川が流れているのは昨日見つけてたみたいです。
行く前に、ティーナに枯れ枝に魔法で火をつけてもらいました。
僕も湯を沸かし、身体を拭きます(体感温度10度ちょっとです、水浴びとか無理です!)。
早く風呂を作りたい…。
簡単なスープを作っていると、ティーナが帰って来ました。少し髪が濡れていて艶やかです。
ちょっと見惚れました…。
二人で朝食を食べながら方針を立てます。
「確か、ライオネ山脈を背中に真っ直ぐ進むと竜の里があるんだよね」
ティーナは、はむはむしていたパンを飲み込むと頷いた。
「はい、ライオネ山脈を背に森を抜けると、草原が広がり、その中心を目指せば我らが「竜の里」が現れる。と村長は言ってました」
そういうと、ティーナはパンを はむはむし始めた…。
食事を終えて、片付けをして僕らは出発した。まずは森を抜けよう。
ライオネ山脈を背にすることを注意しながら森を進んだ。
意外なことに、森の中の恵みは豊富だった。僕は、捨てられた土地だから恵みはないだろうと色々と準備していた。
しかし、この森は、まるで迷いの森のように恵まれていた。
「リューイ様、森が開けます」
森を抜けると草原が広がっていた。
青々とした草原だった。とても、もうすぐ冬を迎えるとは思えない光景だった。
なぜ捨てられた…?
「このあたりは、もともと年中温暖な気候です。
しかし、竜人族への虐待、と言うより虐殺により、誰もこの土地を治めようとしませんでした。
また、交易するにしては、とても不便な土地でもあるからです」
ナビさんが教えてくれた…。
まぁ、不便な土地に、虐殺を犯した想いを抱いて住むのはいい気分ではないか。
そんな過去がある土地なのに、何故か僕は親しみを覚えた。
「ここでキャンプを張ろう…。」
実はテントも持ってます。
バックの中に入っているのですが、使う機会が難しくて、なかなか出せませんでした。
だって、行きは川沿いで、周りの森からいつ魔物が飛び出すか!
迷路ダンジョンの中は狭くて使えません、ひっきりなしに魔物が出てくるし。
昨日はダンジョンから出たばかりです、ダンジョンの中では身体を拭く事も出来なかったし、ニオイが気になるお年頃です。
テントの中に二人きりなんて、羞恥心が耐えられません!
見渡しの良い場所にテントを張ります。
張り終えたら、ティーナは川に水浴びに、僕はテントで身体を拭きます。
二人で食事をします、今日はヒュドラのステーキと茹でた芋モドキ、それとサラダです。
「ここに来て、ティーナは何か感じた?」
そう言うとティーナは首を傾げます。
「そうですね、安心感はあります。
あと、親近感を覚えます。それは多分、私が竜人族だからでしょう」
そうだろうなと思う…。
しかし、なぜか僕も親近感を感じる!
僕、竜人族?
そんな訳は無い、人間だ。
まぁ、竜人族も僕も外見は変わらないんだから、お互い感じる事があってもおかしくない。僕はそう思うことにした。
「もう寝よう」
火を残して、僕はテントの中に入る。
そのあとを頬を赤らめたティーナが続く、入り口を閉める。
残るのは夜の静けさだけだった…。
翌朝、少しお互い恥ずかしそうだった。
それはそうだろう。一つのテントで、二人きりで夜を過ごしたのだ…。
ちなみに、何もありませんでした…。
普通にこれからの事を横になりながらティーナと話していました。
気がつくとティーナはすやすや寝ていました。
確かに邪まな気持ちが無かったと言えば、有りました。
しかし、無防備な寝顔を見てて、鬼畜にはなれません!
僕は今、寝不足です。いや、完徹です!
今後、テントは封印です!
その後、ティーナにテントは使わないのですか?と言われるたびに、
「今日は、夜空が綺麗そうだ!星を見上げながら寝よう」とか、
「今日は、流星雨が降り注ぐ気がする、空を見上げながら寝よう」とか、
「今日は巨大隕石が大群で落ちて来る気がする、空を見上げながら寝よう」とか!
一度意識したら、テントの中でも、外でも一緒だと言う事に僕は気付きました。
もう、心は魔物化しています!
「リューイ様、見つかりました!」
そうティーナが叫ぶ先を見ると、金色の草原に包まれた建物の群れが見えた。
どうやら、たどり着いたらしい。
しかし、今日までティーナの寝顔を見ながら自制心と戦った僕は四徹(四日間徹夜)だ!
たどり着いた安心感からか、それとも四徹のせいか、間違いなく四徹のせいだろう!
僕は意識を失った……。
読んでいただきありがとうございます。




